▶︎すべての写真を見る 本稿を執筆中にパリ五輪の開催まであと1年となった。
開会式が催されるのは2024年7月26日(金)。その2日前に始まる競技は、最終日の8月11日(日)までの19日間にわたって、フランスの首都パリを中心に行われることになる。
その中で、今回もサーフィン競技はホストタウンから離れての開催が決まった。東京五輪で千葉県の釣ヶ崎海岸が会場となったように、舞台は南太平洋に浮かぶタヒチ本島にあるサーフスポット、チョープーである。
そこでプロサーファーの堀口真平さんに、タヒチの波が舞台となる来夏のパリ五輪で勝つ鍵を伺った。
来夏のパリ五輪は巨大なチューブが舞台
タヒチに暮らす写真家のティム・マッケンナさんによると、開催地はベストウェーブを求めて決まったのだという。
タヒチまで行かなくてもサーフスポットは同国の大西洋岸沿いに点在し、なかでもホセゴーは毎年のように国際大会が催されてきた歴史深い場所だ。
しかしホセゴーを含めたサーススポットのメインシーズンは秋。夏は波が乏しく、選手や世界中の観衆を魅了するグッドウェーブに期待ができないため、夏をミッドシーズンとするチョープーが会場に選ばれた。
そしてその決定により、メダル争いは世界屈指の波で行われることになった。どれほど“世界屈指”であるのかは、冒頭の写真のとおり。
波は大きく巻き上がり、人どころかダンプカーさえものみ込んでしまいそうな巨大な“チューブ”がステージとなるのだ。
その波質をして「獰猛で、美しい波」と評したのはプロサーファーの堀口真平さん。冬のハワイを含めた国内外の大波での経験を積み重ねてきた、日本を代表するビッグウェーバーだ。
チョープーでの経験も豊富で、かの地でのコンテストに出場したこともある。この巨大な波に乗るだけでなく、他の選手と競い合いながら勝利を目指した経験を有するのだ。その知見は、日本サーフィン界においてわずか数人しか持たない貴重なものだといっていい。
そこで今回は世界のいたるところで数々のビッグウェーブをライドしてきた堀口プロに、チョープーの波の特徴と戦い方について聞いた。
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