「Feel So Goodなモノ語り」とは……▶︎すべての写真を見る | 南塚真史さん ナンヅカギャラリーのオーナー。田名網敬一、空山基などの日本人作家の再評価に努め、若手作家の活動も精力的にサポートする。フリオ・アナジャ・キャバンディングの展覧会を開催中。nanzukaunderground |
| 阿部勇紀さん 1982年生まれ。ミュージシャンとして活躍し、2018年に「ハイプビースト・ジャパン」に参加。yvkiabe |
阿部 小さなものから大きなものまで、南塚さんの事務所はいつ来てもアートの宝庫ですね。
南塚 アーティストがここに宿泊する傍らで書いてくれたお礼のカードもすべて保管してありますしね。
阿部 どんな形であっても感謝の気持ちは気分がいいものですね。
南塚 唯一の役得です(笑)。
アーティストのサポートをする南塚さん。そのお礼にイラスト入りのカードをいただくそう。ジェス・ジョンソンやマーク・ライデン、ヨアキム・オジャネン、UFOなどの面々が。
阿部 たくさんのアーティストをサポートしてきた南塚さんならではのストーリーですね。なかでも思い出深い仕事はありますか?
南塚 2018年のディオールとの仕事です。僕にとって集大成のようなものかも。
阿部 空山基さんによる巨大ロボがスゴかった!
「ディオール」のバッグ。南塚さんのキュレーションにより2018年にディオールとアーティスト空山基さんのコラボが実現。ショーの会場には同氏の巨大ロボが設置され話題に。
南塚 ファッションからアートの文脈を作るという僕にとって新しいチャレンジでした。結果、より多くの人にアートが届いた気がします。ただ、常に脳内がパンクしてましたね。
阿部 休まる時がなさそう……。
南塚 そういうときはニュートンのゆりかごを揺らし、ぼーっと眺めています。頭がカラッポになって気持ちいいんですよね。
カチカチと振り子の音が気持ちいいニュートンのゆりかご。
阿部 癖になりますね(笑)。
ふらふらと倒れそうで倒れないヤジロベエ。仕事で脳が疲れたときは、ぼーっとこれらを見て一度頭を空っぽにしてリラックスする。
南塚 あとはリフレッシュしに釣りにも。先月はマグロを釣りました。
阿部 一本釣りとはスゴイ!
南塚 このシマノのステラは回転が驚くほどスムーズでマグロとも難なく闘えるんです。
阿部 釣りは奥が深そう。
世界最高峰と言われるシマノが誇るスピニングリールのステラ。1000番台の大型を愛用し、ときに20〜30kgのマグロを一本釣りするそう。
南塚 知れば知るほど沼。でもそれはどの業界も一緒かも。
阿部 アートはもちろんそうですよね。新しい感性が止めどなく生まれますから。
木下直之著の『美術という見世物』など。アートの基本が詰まっており、読み返すことがしばしばあるそうで、中にはマーカーがたくさん。
南塚 まさにそのとおり。だからこそ僕は常に初心を忘れないようにしています。例えば教材や木下直之さんの著書を読んだりと。基本を知らないと、新しい物事に対しての見方が全然違うんです。
美術出版社が発行する美術教材も愛読。
阿部 なるほど。八代亜紀さんの作品は、田名網敬一さんがデザインされたものですよね?
大ファンだという八代亜紀さんの50周年を祝うCD&LPにプロジェクトプロデューサーとして参加。ご本人と対面を果たしたことは、一生の思い出に。
南塚 そうです。長年、八代さんのファンで、それを公言していたら、仕事もさせていただきました。一生の思い出です!
阿部 口に出すと夢はかなうというのは本当なんですね(笑)。