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2023.09.15

ファッション

“世界一不細工なサンダル”と呼ばれたKEENから初のウォーキングシューズ「WK400」登場!



“世界一不細工なサンダル”といわれ、アウトドア・ラバーの話題をさらったキーンが今年、20周年を迎えた。

アニバーサリーイヤーにふさわしく、くだんの「ニューポート」や二枚看板の「ユニーク」にラインナップされた新作はいずれも力作ぞろいだったが、思わず目を奪われたのがウォーキングシューズ「WK400」だった。キーンがウォーキングシューズを謳うのは、その歴史で初めてのことだ。

プレミアムヌバックレザーをまとったこの秋の新作、「WK400 LEATHER」2万2000円/キーン(キーン・ジャパン 03-6804-2715)

プレミアムヌバックレザーをまとったこの秋の新作、「WK400 LEATHER」2万2000円/キーン(キーン・ジャパン 03-6804-2715)


「キーンは創業以来、一貫して問題を解決するためのツールとして商品開発を行ってきました。つま先を守るサンダルとして『ニューポート』が、フィット感を求めて『ユニーク』が誕生しました。『WK400』は歩くことを真摯に見つめ、たどり着いた第3のソリューションです」(シニア・プロダクト・スペシャリスト、青木泰裕さん)

大怪我が「WK400」を生むきっかけに

「WK400」に足を滑り込ませ、立ち上がったとたん、けして大げさではなく、みずからの意思に反して足が前に一歩出た。「それこそが特許出願中のキーン・カーブテクノロジーのなせる技です」と青木さんはいう。

「WK400」 ウォーキングシューズ

「WK400」 ウォーキングシューズ


「創業者の右腕として活躍する息子のローリー・ファースト Jr.はスキーで大怪我を負いました。骨折が治っても抑うつ症状と戦う毎日だったといいます。彼はある日、家族とともに郊外へ足を向けました。

気晴らしに湖畔を歩いた彼はみるみる気分が晴れていくのを感じます。そして気づきます。歩くことには単なる移動手段以上の力があると。玄人はだしのスキープレイヤーで、スポーツ万能だったローリー・ファースト Jr.にとって、歩行はあまりにありふれた行為でした」(青木さん)

「WK400」を生んだ2代目、ローリー・ファースト Jr.。

「WK400」を生んだローリー・ファースト Jr.。


ローリー・ファースト Jr.は物理学と環境科学の博士号をもつ長年の友人、チーロ・フスコのもとを訪れ、さっそく新たなプロダクトの開発に乗り出す。あらためて歩行を研究してわかったのは、足は腰を起点に振り子のように動くが、その振り子は半径400ミリメートルの軌道を描くということだった。

1万時間のデザイン設計&開発、8000キロメートルに及ぶフィールドテストを行い、考案から3年以上の歳月をかけて完成させたのがキーン・カーブテクノロジーである。

「WK400」の分解図。

「WK400」の分解図。


キーン・カーブテクノロジーはコンスタント・カーブ・ジオメトリーと名づけられた曲線をフルレングスのナイロン製シャンクからなるプレートテクノロジーでキープしつつ、高エネルギーミッドソールで高反発とクッション性を実現する。

そのコンストラクションは導き出した軌道とぴたりと重なり合う。これが前へと進む推進力の源だ。

ナイロン製シャンク、というのも見逃せない。一般にこの手のシャンクにはカーボンが採用されることが多い。しかしそれはランニングを想定したもので、ウォーキングにおいてはオーバースペックなのだ。このことからもわかるように、「WK400」は徹底して歩くことをコンセプトに据えたモデルということがいえる。

「WK400 LEATHER」

「WK400 LEATHER」


マルチサーフェイスアウトソールもあらたに開発されたもの。グラベル・バイクのタイヤを着想源とした意匠が特徴で、二種類の突起を組み合わせたそのソールはグリップ力に長けている。

アッパーはこれまでのテクノロジーをブラッシュアップさせている。エンジニアードメッシュアッパーで構成されるアスレチックフィットは抜群に軽く、通気性に優れ、アシンメトリーにセットしたレースステイ、オフセット・レーシングシステムは甲への圧迫を緩和する。

ヒールタブは上下に二つセットされている。脱ぎ履きに苦労した自身の入院時の経験がもとになっている。


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