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閉店日から家が決定するまでの15日間

5月31日は、川崎で営んでいたうどん店「蓮」の営業最終日でした。11時半のオープンにもかかわらず、8時半に最初のお客様が店の外のベンチに着席したのに気付きました。開店時には多くのお客様に並んでいただいたおかげで、席はすぐに満席に。茹でるときも、気合と感謝の気持ちを目一杯入れました。

最初のうどんを提供すると、なぜか店内は静まり返っていて聞こえるのはテレビの音量だけ。そんな異様な空気のなか、楽しそうに食べる方や、少し寂しそうな様子の方、なかには涙を流すお客様もいました。一人ひとりが最後の一杯を味わってくださっていることがうれしかったです。

そして、いちばん会いたいと願っていた中学時代の野球部の先生にも最後の最後に食べてもらうことができました。

打ち上げにきてくれた仲間たち。

閉店後は、打ち上げを実施しました。12席しかない店に40人もの仲間たちが集まってくれて、とても幸せな時間でした。


次の日から、店や家の片付けに、船便の整理など、毎日が目まぐるしく過ぎていきました。そして、お世話になった方々に感謝と別れを伝え、渡米の日を迎えました。

6月15日、20時発のフライトだったので17時頃に成田空港に到着。段ボール6個、折り畳み自転車、そしてスーツケース3個とバック3個を預け、親族と最後の食事をいただきました。

娘に「いとこのお姉ちゃんと別れたくない」と言われたときには胸が締め付けられそうでした。「本当にこれでいいのか」と自問自答を繰り返しながら親族と別れを告げ、後ろを振り向かず手荷物検査に進みました。

娘が大好きないとこのおねえちゃんとのお別れ。

娘が大好きないとこのおねえちゃんとのお別れ。


現地時間の6月15日午前8時に、ハワイへ到着しました。事前に狙いを定めていた家との運命を信じ、ホテルの予約はこの日のみ。よっぽど建物が古いとか、水の出が弱いとか、虫が異常に発生しているといったトラブルがなければ決めるつもりでいたんです。

「賭けに出たね!」と周囲の人から言われましたが、娘の生活環境をいち早く整えてあげたかったので強行手段を選びました。ホテル暮らしもコンドミニアムもお金がかかる。お金を最小限に抑えて、尚且つ生活環境を整えることが最重要課題だと家族で話した上での決断でした。

そして無事に狙っていた家の内覧を済ませました。日本でいう「敷金・礼金」がこちらでは「​​デポジット1カ月分」と「家賃1カ月分」の支払いでした。賃貸契約も2年ではなく6カ月契約か1年契約のどちらかを決める方式。我々は1年契約を選び、無事契約が完了しました。

5月31日の閉店からここまであっという間に時間が過ぎていました。

長時間のフライトからの内見で、疲れきった娘。最終的に●LDK、90㎡の部屋を契約しました。

長時間のフライトからの内見で、疲れきった娘。最終的に1LDK、90㎡の部屋を契約しました。



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