▶︎すべての写真を見る 現在、サラリーマンとして働く傍ら、副業で70社を経営している野口 薫さん。その副業のメインは不動産投資で、総資産はなんと202億円!
だが、ここまでの成長を遂げるまでには、さまざまな失敗もしてきたという。第2回は、不動産投資の失敗談を教えてもらった。
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第1回 仮想通貨、マルチ商法で1億円の損失 話を聞いたのは……
野口 薫さん(51歳)●大手機器メーカーのエンジニア。東京在住。会社員を続けながら副業で70社を経営。メインは不動産オーナー業、そのほかにも飲食業、建築業、旅館業などを手掛ける。
破産寸前!? 投資を続けるか、今の年収に戻るか
野口さんがはじめて不動産投資をしたのは、37歳のときだった。
前回お届けした仮想通貨の失敗談と同じく、新しい副業に興味を持つきっかけはSNSだ。
「SNSの投稿で、不動産投資をやって儲かったとポルシェに乗ったり、札束を積んだりしているのを見るじゃないですか。『絶対にこれは怪しいだろう』と思ったのですが、サラリーマンの給料に限界を感じていた当時は、とりあえずやってみようと思ったんです」(野口 薫さん、以下同)。
不動産投資をはじめるにあたり、まず野口さんは不動産投資を学ぶ塾に1年間通い、仕組みを勉強。新入社員の頃からコツコツと貯めてきた2000万円を元手に、マンションの一室を購入した。
「はじめて購入したのは、新横浜の4LDKで駅近の好立地。そのわりに安く買えたと思ったのですが、全く入居者が捕まらなくて。4月に引渡しだったのですが、7月まで待ってもダメでした。繁忙期がちょうど過ぎたタイミングだったため、うまくいかなかったんでしょうね」。
そこで、この物件はすぐに売却。同額程度が戻ってきたのと失敗を取り戻したいという思いで、今度はマンションの1棟買いに乗り出す。価格は7500万円。元々の売値よりも1000万円ほど安くなっていたというが、サラリーマンにとっては簡単に手が出せる金額ではない。
「最初の物件を売って戻ってきた自己資金と、銀行からの借入5000万円を合わせてもお金が足りませんでした。そこで、親に工面してくれるよう頼み込みました。当時は、副業で成功したいという思いが強くて、『お金を出してくれなければ会社を辞める!』と半ば脅すように、お金を出してもらったんです(笑)」。
副業のために本業を辞めるなんて本末転倒。そこまでするのか?と思わずにはいられないが、この物件を購入するまでに、野口さんも不安と期待に揺れる日々を送ったという。
なぜなら、銀行の融資がおりない可能性があるからだ。
「融資がおりなければ借金を抱えなくて済むと思ったり、物件を買わなければ生涯ずっと今の給料のままなのかと思ったり……気持ちが定まらない状態でした。でも結果、融資はおりたんです。その連絡が来たときは、ホッとしましたね。
そしてすぐに、これが失敗したら親もろとも破産するかもしれないという、ものすごいプレッシャーに苛まれました」。
そんな緊張感を持っていたからか、このマンションの入居者は続々と増えていき満室に。結果的にこの投資は成功した。
そこから野口さんは、徐々に投資物件を増やしていく。だが、4件目を購入した頃に、大きな落とし穴があった。それが屋久島の土地だ。
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