※記事内のアイテム写真はすべて、過去のオーシャンズアーカイブからのイメージ写真であり、現在は販売していない可能性があります。
日本、アメリカを中心にワールドワイドな人気を誇るスニーカーブランド、ヴァンズ。中でも幅広い層に愛されているモデルが「オーセンティック」だ。
本国のUSA企画アイテムのほかに、日本企画アイテムも多く存在するヴァンズから、大定番であるオーセンティックの魅力について、解説していきたい。
【写真12点】「オーセンティックの特徴&種類」の詳細写真をチェック 世界的に有名なヴァンズは、愛され続け約60年!
1966年にアメリカ・カリフォルニア州アナハイムで、ポール・ヴァン・ドーレンとジム・ヴァン・ドーレンの兄弟がヴァンズを設立する。
’70年代に入るとスケートボードブームが起こり、スケーターたちはソールのグリップ力が強く、しかもシンプルで合わせやすいヴァンズのスニーカーをこぞって着用した。
スケートボードカルチャーと密接に関わり合ってきたヴァンズは、その後ストリートカルチャーのみならずカジュアルスタイルに欠かせないブランドとなり、今でも多くの人々から絶大な支持を得ている。
ヴァンズの中でも人気を博す「オーセンティック」の6つの特徴
ヴァンズには、お店をオープンする際、店内のディスプレイが間に合わなかったためオーダーメイドのような形で注文を受けた、という逸話が残っている。
その最初に注文されたベースモデル「#44」が、現在でも不動の人気を誇るオーセンティックに繋がるモデルだ。
では、なぜ長い時を経ても愛され続けるのか、それは、次の6つに集約されるだろう。
・クラシックなデザイン
アッパーには装飾といえるものがほとんどない。唯一の“飾り”は、甲やヒールなどにあしらわれた細いダブルステッチとさりげなく配されたタグのみ。そのデザインは今なお不変であり、さらにはデザインの完成度を物語っているともいえる。
ヴァンズ オーセンティック こうしたデザイン志向は同ブランドのもう一つの人気モデル「エラ」にも見られ、一見見分けがつきにくい。ただ、じっくり観察してみると、決定的な違いがあることに気づく。それは履き口。
オーセンティックの履き口はすっきりしているのに対し、エラにはパッドが加えられややボリューム感がある。
ヴァンズ エラ ・キャンバスアッパーの快適な履き心地
アッパーに採用したキャンバス生地の特性のおかげで、程良く足にフィットし履き始めからしっくり馴染む。またキャンバスは軽量ゆえ足運びもスムーズで、通気性に優れ蒸れにくいという利点も。
さらに、履き込むほどに見た目も味わい深くなることから長い付き合いができるのも愛される理由だ。
・グリップ力が高いワッフルソール
機能面での大きな特徴がワッフルソール。現代の最新スポーツ&アウトドアシューズのような複雑なソールパターンではなく、オーセンティックのソールはひし形と六角形が規則的に配置されたシンプルなパターン。
このソールが、ステイシー・ペラルタやトニー・アルバといったレジェンドスケーターも認める高いグリップ力を発揮。
しかも、程良くクッションが効くので、晴れの日はもちろん雨の日も快適に歩ける。
・伝統的なバルカナイズド製法の丈夫な作り
オーセンティックは、アッパーとソールをゴムと硫黄の化学反応によって強固に接着させるバルカナイズド製法(加硫製法)を採用している。
この製法で作られたスニーカーは、ソールがしなやかで柔らかく丈夫なためいつまでも美しいシルエットを保てるという特徴がある。反面、手作業の工程が多く、熟練の技術が必要なこと、そのせいでコストがかかるというデメリットも。
しかし、高品質のスニーカーを追求するヴァンズは、あえてこの製法にこだわっている。
・カラーバリエーションが豊富
オーセンティックはさまざまなカラーを揃えているのも魅力。シンプルなデザインゆえどんなカラーリングも映え、あらゆるスタイルにマッチする。
特にアッパーにブラック、ソールに白を採用した定番の配色やオールブラックは、カジュアルからキレイめスタイル、さらにスーツに合わせるファッショニスタも多く存在する。
ブラック以外にも、ブルーやレッド、オフホワイトなどこれまで登場した人気カラーも数えきれず、常に多数のカラーバリエーションが並ぶのもありがたい。
定番を押さえながら、鮮やかな色に朝鮮してみるのもオススメだ。
・シンプルなデザインだからこそ映えるロゴデザイン
オーセンティックには無駄な装飾がない。基本的な装飾は、アッパーの甲部分にブランドタグが施され、ヒールにはヴァンズの哲学とも言える“VANS OFF THE WALL”というパッチが付いているぐらい。
これは、プロスケーターのトニー・アルバが“壁から離れて空中に飛び出す”技をキメた際に仲間が叫んだ言葉ともいわれ、1976年から使用されているという。
この“OFF THE WALL(「とっぴな」「型破りな」という意味も)”というネーミングこそ、ヴァンズがストリートで活躍する人たちに愛されている証である。
日本企画とUSA企画でデザインが異なる
実はヴァンズには日本企画とUSA企画があり、両者は“似て非なる”モノとも言われる。というのも、日本国内で流通するヴァンズは、国内のショップが販売権を得ていることもあり、独自で日本企画を製造・販売している。
例えば、日本規格は、真上から見ると横幅が狭く、甲高な日本人の足に合わせ甲部が高くなっている。そして、歩きやすさを重視しソールを反らせているのだ。
片や、USA企画は幅が広く甲部もややなだらか、先端は平ら気味だ。
ちなみに、品番も異なっており、USA企画は“VN”から始まるのに対し、日本企画は“V”のみ。購入時の参考に覚えておいて損はないだろう。
オーセンティックの中でも、さまざまな種類が存在する
不動の人気を誇るオーセンティックには、シルエットや素材、仕様の違いなどよってこれまで数多くのモデルが存在している。中でも覚えておきたい主なモデルを紹介しよう。
オーセンティック
1966年の創業時から存在し、現在も最も基本となるモデル。
「VANS #44 デッキシューズ」と呼ばれていた当時の作りに倣って厚めの丈夫なキャンバスアッパーを使用し、’60〜’70年代前半を彷彿とさせるクラシカルかつシンプルなシルエットに仕上げている。
“オーセンティック”の名にふさわしいデザインだが、現代の製法や作りによって機能性・履き心地はしっかりアップデートされている。
アナハイムファクトリーコレクション
ヴァンズの創業地であるアナハイムと、フットウェアメーカーとしての歴史に敬意を表して登場した「アナハイムファクトリーコレクション」。
創業当時のオリジナルのオーセンティックのデザインから着想を得て、ビンテージ感のあるアッパーやコットンシューレースなど細かな仕様までこだわられている。
レザー
オーセンティックのアッパーをレザー素材に変更したモデルはこれまでに数々登場しているが、スムーズレザー、スウェード、シボレなどレザータイプやカラーによって表情は大きく異なる。
いずれにしてもキャンバスアッパーに比べ、スタイルの格上げにひと役買い、より大人っぽい足元を演出してくれるはずだ。
チェッカーボード
ヴァンズを語るにあたって欠かせないチェッカーボード柄は、オーセンティックにおいても外せない存在。1982年の映画『Fast Times At Ridgemont High』で俳優のショーン・ペンがチェッカーボード柄(映画ではスリッポン)を履いていたことから、ヴァンズとそのラインナップに世界中の注目が集まった。
これを機にチェッカーボード柄は、ブランドを象徴するパターンの仲間入りをしたと言われている。写真は以前にMoMAとのコラボで登場したカラフルなチェッカーボード柄のモデル。
まとめ
シンプル、ミニマル、クラシック、といった言葉で形容されるヴァンズのオーセンティック。
無駄のないデザインのおかげでどんなファッションにも足並みを揃えることができ、豊富なカラーや柄によって印象をガラリと変えることもできる。
創立時からブランドを支えるこの人気モデルは、ヴァンズのみならずスニーカーの永久定番として、しっかり覚えておきたいところだ。