大学では英語の教員免許も取得したが、就職先に選んだのは大手IT企業。そこではECサイトのコンサルタントを任された。その後、1度の転職を経てエンゲートに入社する。
「スポーツ特化型のギフティングという今までにない市場を作ることに興味を持ちました。内容としてはファンが“ギフト”を購入して、応援したいチームや選手に専用サイト経由でメッセージとともに贈るというものです」。
贈られたギフトはチーム運営や選手個人の希望する目的で利用されるなど、チームによってさまざまな使い道を設定。中には集まったギフトで社会貢献活動を行う選手もいるという。
現在、参加チームは140以上、登録選手は5000人以上。スポーツのジャンルも野球、サッカー、バスケットボールと幅広い。
日本代表からプロ、アマ、大学チームなどが導入中。
スター選手が勢揃いするプロ野球の福岡ソフトバンクホークスもその中のひとつ。
届いた応援メッセージを手に感謝の笑みを浮かべる選手たち。
「いろんなスポーツ選手にヒアリングをする機会があったんですが、そこで知ったのは皆さん、ファンからのメッセージは結構読んでいるものの、SNSや公式サイトのメールなどではなかなか返信しづらいということ。たくさん来ている中のどれに返せばいいかも決められない。そんな悩みを解消するツールがエンゲートなんです」。
エンゲートはチームの公式のサービスとして選手がファンとコミュニケーションを取れるため、選手も安心感を持って使うことができる。
福岡ソフトバンクホークスでは、エンゲートで届いたギフトやメッセージを印刷して、選手ごとに手渡ししているそうだ。
「花キューピット」とコラボして、選手がセレクトした花束が自宅に届くという試みも実施中。
さらに、ギフティングサービスの仕組みを理解してもらうために選手やチームスタッフに向けた説明会も定期的に開催している。
説明会の様子。
また、祥子さんがいまハマっているのは世間を賑わせているChatGPT。革命的なツールだとは思っており、実際に仕事で使ってみるとやはりその通りだった。
「ChatGPTとPythonを使って、選手への応援メッセージを自動で抽出、仕分けしてパワーポイントの資料にするプログラムを作りました。これだと、数時間かかっていた作業がボタン1つで完了するんです。
担当している福岡ソフトバンクホークスからは、『選手向けの応援メッセージの見やすい資料に作成するのに時間がかかって大変だ』という声をいただいておりました。ホークスの担当者様にも喜んでいただけてうれしかったですし、今ではホークス以外の多くのチーム様からのご依頼をいただいています」。
独学でプログラムを組んだというからすごい。
そんな祥子さんを推薦してくれたのはエンゲートを立ち上げた城戸幸一郎さん。
「2018年にFacebookで『スポーツテックのスタートアップを起業します! 手伝ってくれる方募集!』という投稿をしたら、すぐに小澤からメッセージが届いたんです。会ってみるとスポーツへの愛情がすごいし、会社にとって重要な人物になりそうだなと直感的に思いましたね。発想も豊富で、いろんなアイデアを出してくれています」。
「顧客のニーズを拾い集めてサービス内容を提案する動きがすばらしい」と絶賛。
なお、エンゲート社は基本的にフルリモートなので、祥子さんは今年3月に静岡市に移住した。
地元での縁も増えてきたので、静岡の魅力である食と人のあたたかさが融合するお祭りのようなものを企画してみたいという。
ハンカチにももちろん富士山。
「食事が美味しいことにもカルチャーショックを受けました。最近のヒットは三保松原にある川村農園Cafeのスムージー。私が食べたのはメロンを丸ごと食べているような絶品メニューでした」。
現地で12代続く農園が作る自信作。
ふと、Tシャツにプリントされた「Why not」について聞くと、「『なんでやんないの?』みたいな意味ですかね。前のめり感が気に入っています」。
「そんな深い意味は全然ないです」と言いつつも、何となく祥子さんっぽいような。
ありがとうございました。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
ギフティング事業以外にも要注目。
[取材協力]エンゲートhttps://engate.co.jp/