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筋肉量を増やせば、効率よくミトコンドリアを増やせる

ミトコンドリアは、赤血球を除くほぼすべての細胞に存在します。血管、脂肪、内臓などのあらゆる細胞にありますが、その数は一定ではなく、運動量の多い筋肉や神経細胞にとりわけ数が多いといわれています。

誰でも運動をしなければ、加齢とともに自然に筋肉量が減っていきます。それは同時に筋肉細胞内にあるミトコンドリアも減っていく、ということにほかなりません。これが加齢とともにミトコンドリア数が減る要因のひとつです。

逆にいうと、筋肉量を増やせば、効率よくミトコンドリアを増やすことができるのです。

私たちの体の筋肉には、瞬発力に使われる「白い筋肉」といわれる「速筋(そっきん)」と、持久力に関わり「赤い筋肉」といわれる「遅筋(ちきん)」があります。ミトコンドリアは、赤い筋肉である遅筋に豊富に含まれています。
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遅筋はウォーキングやジョギングなどに使われ、背筋や太ももなどに多く存在します。生物でいいますと、ゆったりと回遊し続けるマグロや、長時間飛び続ける渡り鳥などが多く持っているといわれる筋肉です。

つまり、ミトコンドリアを増やすためには、持久力の筋肉を養う運動がおすすめなのです。

また、運動はミトコンドリアの数を増やすだけでなく、活性化することにもつながります。

適度な運動負荷を体にかけると、エネルギーのもとになるATPが消費されます。

すると失われたATPを補給するべく、エネルギーの生産工場であるミトコンドリアが活性化し、酸素をせっせととり入れて新たなATPをつくり出します。

つまり、有酸素運動を行うことで数と質、両方の効果が得られるということです。

これらを考えあわせると、ミトコンドリアを増やして活性化するには、遅筋を増やす筋力トレーニングと、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を行うのがよいでしょう。

気をつけたいのは、激しい運動をやりすぎてしまうこと。運動でエネルギーが急にたくさんつくられると、活性酸素を大量に発生させてしまうことにもなるからです。ミトコンドリアのエネルギー代謝活動によくありませんし、体にも活性酸素による不調が出てしまいます。
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ミトコンドリアが活性化する「腕ふり体操」

間隔を置いてくり返し適度な負荷をかける筋力トレーニングや、少し息があがるくらいのウォーキングなどの有酸素運動を日々続けることがミトコンドリア活性化には最適です。

とはいえ、運動習慣のない方はなかなか始められませんし、続かないですよね。そこでおすすめしたいのが、楽にミトコンドリアを活性化できる「腕ふり体操」です。これは、私の師匠である医学博士の金城実先生が考案したもので、その場で気軽にできて、天候にも左右されません。
【腕ふり体操のやり方】
①両脚を肩幅に開き、両手を腰にあてて、片脚を軽く前に一歩出します。
脚を軽く曲げて、後ろ足のかかとを少し上げ、体重を前脚と後脚の両方に均等にかけます。
②両脚をリズミカルに軽く曲げたり伸ばしたり、小刻みにくり返します。腰を上下にやわらかくはずませるようにすると楽にできます。
「イチニ、イチニ」と声を出して。
③その上下の動きを止めないまま、腕を前後にふります。
これを1分間続けます。朝晩1日2回行いましょう。

(出所:『だるさ一掃×よく眠れる×自律神経が整う 1日1杯疲れのおそうじスープ』)

(出所:『だるさ一掃×よく眠れる×自律神経が整う 1日1杯疲れのおそうじスープ』)


リズミカルに腕をふるのも、とてもいいことです。

規則的なリズムを刻む運動を行うと、セロトニンというホルモンが出るからです。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、気持ちが前向きになったり、興奮した神経を静めたりしてくれます。

ウォーキングやジョギングをするときにも、リズミカルに腕をしっかりふってセロトニンを分泌することを意識するとよいでしょう。
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『だるさ一掃×よく眠れる×自律神経が整う 1日1杯疲れのおそうじスープ』(アスコム)。

『だるさ一掃×よく眠れる×自律神経が整う 1日1杯疲れのおそうじスープ』(アスコム)。


腕ふり体操を続けながら、朝起きたときの疲れはどうか、「体が動かない」という感覚が減ったか、夜はぐっすり眠れているか、体を観察してみてください。

少しでも「いつもより体が軽いな」と感じていただけたらうれしいです。

御川安仁=文
記事提供=東洋経済

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