「偏愛さんいらっしゃい」とは…… 近頃、古着市場でジワジワと盛り上がりを見せているステューシー。現在熊本在住の内田大輔さんは、ステューシーの中でも80〜90年代に発売されていた“オールドステューシー”のTシャツを偏愛するマニアだ。
今回は、自身のTシャツコレクションとともに、Tシャツ愛を余すことなく語ってもらった。
▶︎すべての写真を見る 内田大輔●学生時代に原宿の古着ショップ「ボール オン ラマ」(現在は閉店)で販売員やバイヤーを経験。現在は地元熊本で農家を営んでいるが、古着愛は健在。ステューシーのほか、ヴィンテージのカバーオールやデニム、スウェット、パーカなどマニア垂涎のお宝を大量に所有している。
気付けばTシャツだけで200枚超え
内田大輔さんは現在47歳。地元熊本から進学のために上京したのが90年代初頭。
当時は渋谷原宿を中心に、古着ブーム真っただ中。高校時代から古着が好きだった内田青年が原宿の古着店で働くことになるのはごくごく自然なことだった。
「96年から約9年間古着屋で働き、バイヤーとしてアメリカと日本の二拠点生活を送っていました。地元の熊本にいる頃から雑誌『BOON』を穴が空くほど熟読していたくらい、いわゆる“トゥルーヴィンテージ(諸説あるが、一般的には80年代までに製造されたMADE IN USAアイテムの総称)”と呼ばれるものが大好きで、デニムやスウェット、Tシャツ、スニーカーなどを買いまくっていました。
その中のひとつがステューシーのアイテム。当時同じお店で働いていた先輩がパウエルやサンタクルーズ、ゾーラックといったブランドでお馴染みの80年代スケートカルチャー(オールドスケート)が大好きで、その影響からハマりました」。
80年代初期に発売されたこちらは、波柄やクロスを駆使したポップな総柄。オールドステューシーの中でも特に人気が高い。80sステューシーの代表的なモデル。
とはいえデニムなどのワークウェアを筆頭に、当時から内田さんの優先順位とウィッシュリストは常にいっぱいだったため、ステューシーにはそこまで心血を注いでなかったそう。
「例えばふらっと町田や高円寺などの古着屋さんを回って、良い出合いがあればちょこちょこ買う程度で、どんなに欲しくても2万円以上は出すことはなく、血まなこになって積極的に探し回ることもありませんでした。
インスピレーションといいますか、デザインが気に入ったもので、なおかつ許容範囲の価格だったら買おうかという程度。目標を定めなかったことが逆にいけなかったのか、気付けばTシャツだけで200枚を超えていました(笑)。所有しているのは80〜90年代のものがメインで、2000年代前半のものが少しといった感じです」。
ブランド創業当時は、サーフモチーフのTシャツも多く発売されていた。
通称“ドラゴン”と呼ばれる人気のモチーフ。80年代オールドステューシーの中でも特に人気の高いマスターピース。
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