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雨風に晒された山で写真は見つかるのか

現場は

ものが散乱した雑然とした現場……


考えてみてくださいよ。1年前に偶然見かけた写真を、山のなかで探すなんて、見つかるわけないじゃないですか。

家だって1軒だけじゃない。いくつも廃屋があって、物も散乱してる。雨や風で流されてる可能性もある。羽生蛇村は有名な心霊スポットだから、他の人たちに踏み荒らされてるかもしれない。

きっと見つからないよ……と僕は内心思ってたんですけど、まぁ断る理由がないし、いいよって許可したんです。

異様な執着を見せる男の雄叫び



彼は1人で探しに行きました。だから、僕も阿部さんも、リアルタイムでは何が起きたのかはわからない。後から動画を見ると、彼は探索しながらずっとひとりで喋ってるんですよ。

「あの写真を見つけないとだめだ」「写真は絶対にある」「阿部さんに見てもらって写真の正体を伝えないとだめなんだ」って。異様な執着でしたね。何かに支配されているような、そんな様子でした。

そうしたら彼、信じられないことに見つけたんですよ。「あったぞ!」「ありました!」って、低い崖の下からその1枚の写真を見つけてきたんです。

ありえなくないですか? 言葉にすると簡単に聞こえますが、足元も悪い雑木林ですよ。いろんなものが落ちている暗闇のなかで、まさにその写真を見つけるなんて……。

持ち帰ってはいけない写真を持ち帰った末路……

くんが持ってきた一枚の写真

やーかず君が持ってきた1枚の写真。


僕らが合流すると、確かに彼は1枚の写真を持ってました。でも、被写体はよくわからなかったんです。猫のような人形のような人のような……。

何がやばいって、写真がほぼ1年前のままだって言うんです。確かに、1年も放置されていたとは思えない状態でした。

その写真をやーかず君は持ち帰りたいって言ったんです。阿部さんに言わせると、本当はやめた方がいいんですって、そういうの。厄も一緒に持ち帰ってしまうから。

でも彼は「この写真がここにある限り、何回も来たくなる」って言うんですね。きっと、本当に来るだろうから、みんなで相談して、結局その写真を持ち帰ることにしました。

そしたら、交通事故が起こってしまったんですよ。ロケの翌日に。


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