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ビザ取得へ動き出し、生活が一変した

伊東さんご夫妻と愛娘の3人でパシャリ。

伊東さんご夫妻と愛娘の3人でパシャリ。


忘れもしない3月15日、再び社長から雇用条件などを話してもらい、E-2ビザの申請を開始しました。これはビジネス目的でアメリカ国内のプロジェクトへ投資する人に発給されるものです。配偶者、21歳未満かつ未婚の子どもが同行者として認められています。

まずは、ビザ取得に必要な申請者氏名や電話番号など、約40個の情報を3日かけて記入。なかには飲酒運転を含む犯罪歴の有無までありました。

その後の事務的な作業は移民弁護士の先生にお願いし、私たちは「蓮」の閉店作業を含む身辺整理へと取り掛かりました。

店舗の解約のために不動産屋に行き、引き渡しは6月18日に決まりました。次に決めないといけないのは、「蓮」の最終営業日です。片付けのことを考え、5月31日を最終日とし、4月10日に閉店のアナウンスをしました。ここでもう後戻りはできないと強く思いました。



そんななか、4月7日に移民弁護士から連絡があり、妻と娘のビザ情報も求められたのでメールで送信。そして、4月17日に在大阪・神戸米国総領事館で面接をすることになりました。

米国総領事館で最終面接。家族で大阪へ!



面接前日に新幹線で大阪へ向かいました。娘にとって初めての新幹線です。新大阪駅に着き、宿泊先のホテルまで電車で向かうとき、「3時間前までは神奈川にいて店の片付けをしていたな」とふと思い、行動力さえあればどこでも行けると思いました。

翌日、10時30分ごろに大阪の米国総領事館に到着。物々しい雰囲気に圧倒されていた矢先、荷物の持ち込みが禁止されていることに気が付きました。ギョッとした妻がコインロッカーへダッシュし、時間ギリギリに戻ってきました。呼吸を整える彼女の姿をみて、この先何が起きても俺たちなら乗り越えられると確信しました。

領事館へ提出した書類リストは、こちらです。
・パスポート
・DS-160(オンラインビザ申請書)
・Appointment Confirmation(面接予約の確認書)
・証明写真(5cm × 5cmの背景が白のもの)
・戸籍謄本(家族で1部、日本語のもの)
領事館の中は別世界。セキュリティも厳しく、静まり返っていました。緊張感のなか、書類と指紋のチェックを受けました。最後の面接は、みどりの窓口のようなカウンターで家族全員で受けました。

「ビザは何年間ですか?」「どこの会社で働きますか?」などのさまざまな質問に日本語で答え、「一週間後に郵送でビザが届きます」と告げられ、面接を終了しました。正直、領事館を出るまではドキドキしていました。



4月25日に無事にビザが到着。「一般的にビザの申請をスタートして早くて2カ月半はかかる」と言われるなか、たった1カ月ちょっとで取得できました。それもひとえに佐藤氏と弁護士のおかげです。

これでやっと海外移住のスタートラインに立つことができ、この日は久しぶりによく眠れました。ここまでの経験で、海外での仕事のモチベーション、海外生活の考え方などを改めることができました。

とても貴重な経験をさせていただきました。佐藤氏に感謝です。
伊東流、海外移住の教訓その②

・この人について行こうと決めたら信じる!
・時間がかかる役所作業はなるべく早めに!
・「今できること」と「ちょっと先のこと」を考えて着実にこなしていく!
・必要な書類はすべてリスト化して、忘れ物のないようにしっかりと確認する!
・領事館には荷物を入れられないので、必ず事前にロッカーに荷物をいれるべし!
・面接で英語は必要なし。強く身構えずに「どんなに高い壁でも乗り越えられない壁はない」と思う!


伊東浩邦=写真提供 千野あき=取材・文

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