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故障に対しては万全の修理体制で対応

実のところ、UMIはランドセルではなく「スクールリュック」という呼称で展開している。ランドセルは日本で独自に進化発展した通学鞄。

江戸時代から続くとされる伝統と文化の発展、そして後世への継承を目的に発足した組織にランドセル工業会があり、同工業会が定める規格には次のようなものがある。

①すべての縫製が日本国内で行われ6年間の使用に耐え得るもの。
②日本鞄協会発行の「信頼のマーク」を縫着したもの。
③素材は皮革又は人工皮革とする。
④形状はかぶせ部が本体を覆う長さで縦型であるもの。
⑤サイズは大マチ部分の内寸の縦(最高部)が31cm前後、幅が23cm前後であること。


これらの規格を有するものにはランドセル認定証が付与され、一般的に「ランドセル」と呼ばれる製品として流通されることになる。

それでも由利は名称にこだわることなく独自の路線を追求。名より実を取る形で、軽く、タフで、使いやすい通学鞄を生み出した。

「展開を始めて6年未満ですから、“入学から卒業まで問題なく使えますか?”と聞かれても、何とも言えないのが正直なところです。

それでもビジネス用のバッグを手掛けてきた経験と自負がありますし、もし故障をした場合にはすぐに代替品をお渡しして、修理も万全の体制で責任を持って行います。

お客さまには迷惑をかけまいという気持ちと、製品への絶対の自信を持って送り出しているのがUMIなんです」。

美しい海が目の前にある町で生まれた、海をきれいにする一助を担い、未来を担う子供たちを守るUMIは、現在のところ受注生産制で販売されている。

SDGsという流れも手伝い注目度の高まりを感じているが、「大きく宣伝して大量に売るものではないし、共感してくれた人に届けばいい」。

その見解からは、海と子供を守るためにも、息の長いプロジェクトにしていきたいといった実直な思いが伝わってきた。

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PIXTA=写真 小山内 隆=編集・文

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