▶︎すべての写真を見る アロハシャツの印象というのはお世辞にもいいと言えるものじゃなかった。
だって俺は昭和の男なので、物心ついたときにアロハシャツを着ている男といえば、まずは痩せていてサングラスを鼻からずれ落ちた感で掛け、「アニキ〜」と叫んでそうなキンピラ、じゃなくチンピラのような人がたくさんいたからだ。
なんかことさら強そうでもないし、真の男を目指すなら、あれは着ちゃだめなやつだ、同じ格好をしちゃあいけないと子供心に誓ったわけです。
ポマードで固めるかキツめのパーマをかけ、レイバンやキャッツアイのサングラスに、猫背。それとはすべて反対をやろうと。
それかおじさんの完全なるアロハオタク。チンピラ系とは反対にちょいと身幅があって、もう全身がヴィンテージみたいな。
「竹でできたボタンが本物でね」とか「日本の着物の生地を使って」云々という解説を聞くたびに、これはいったい、お洒落なのか、女の子にモテたりする格好なのかと随分と疑問に思ったものだった。
大体、素材自体がレーヨンだなんだと、とってもデリケート、そんなもの若かりし頃、洗濯すらろくにできないのに、どうやってケアするの? というわけでアロハはアンタッチャブルな服だったんですよ。
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