写真:ATSUSHI SUGIMOTO
▶︎すべての写真を見る 「失敗から学ぶ移住術」とは…… 海外移住に憧れを持つ人もいるだろう。
千葉県鴨川市、宮崎県串間市へと移住を続けてきたカンマタカヤさん一家は近々、ヨーロッパへと旅立つ。
「現地ではキャンピングカーで移動をしながら暮らすので、移住とは言えないかもしれないけど」と語るカンマさん。とはいえ、13歳、11歳、6歳の娘の学校は?仕事は?お金は?と疑問は膨らむばかり。そこで渡航までの準備や、現地での計画を聞いてみた。
前編「旅を続ける男が学んだ“失敗しないメンタリティ”とは」はこちら! 話を聞いたのはこの人! カンマタカヤ●1976年生まれ。サーファーとして国内外で転戦し、引退後は「前から来るものだけに従って生きる」という信念のもと、『LOVE&RICE FIELD』(千葉県)、『TAGIRI HOTEL』(宮崎県)、『CAFE10』(宮崎県)、『VAN de COSMICA』(宮崎県)を、仲間と共にゼロから立ち上げる。2021年からはキャンピングカーで旅と生活を続け、今後ヨーロッパへ一家で渡航予定。著書に『TAGIRI LIFE vol.1〜3』(TAGIRI PUBLISHING)。近日、宿泊兼ビストロ施設をオープン予定。カンマさんのインスタグラム(@takayakamma)もチェック!
Q1. どんなキャンピングカーを用意した?
千葉から宮崎へと移住するときにキャンピングカーで移動したというカンマさんは、ヨーロッパでもキャンピングカーを住まいとする予定だ。
子供が大きくなるごとに乗り換えてきたというが、ヨーロッパ滞在に選んだのはどんなモデルなのか。
カンマさん一家がヨーロッパへ持っていく予定のキャンピングカー。
カンマ ヨーロッパには、メルセデスのハイマーモービルを持っていきます。ベースはメルセデス社、キャビンはハイマー社のもので、燃費が良くて、小回りが利いて、居住性が広い上に、見た目も良い。
実はずっと乗りたいと思っていた車で、遊び半分で2年ぐらいずっとヤフオクで探していました。あるとき出品されたんだけど、あっという間にすごい数のウォッチリストがついて。
これは僕たちには手が届かないかなと思ったんだけど、ダメ元で「直接話ができませんか?」と売主の人に連絡したら、電話がかかってきて。僕たちがやりたい夢を語ったら、「君に売ることにした」って言ってくれたんです。
写真:ATSUSHI SUGIMOTO
さらに「旅をするのに、そんなに金額を払っていいのか」と言ってくれたので、正直に希望を伝えたら、値引いてくれて。ガソリンの発電だけだとお金がかかるからソーラーパネルをつけてくれたり、古くなった冷蔵庫を取り替えてくれたり……。
おじさんも子供2人をキャンピングカーで育てたそうで、僕たちの夢を自分の夢のように考えてくれて、旅に必要なものを整えてくれたんです。ヨーロッパで旅をするときも困らないように、現在も色々と相談に乗ってくれています。
キャンピングカーのインテリア。テーブルを畳んで椅子を移動するとベッドに様変わり。写真:ATSUSHI SUGIMOTO
このキャンピングカーは、トイレ、シャワー、キッチンが完備されていて、ベッドは3つあります。
1つは運転席の上に取り付けられたバンクベッドという、引き出すタイプのベッド。2つめはキッチンスペースの対面にあって、3つめは後部座席に大きなベッドがあって、運転席と後部座席のベッドは2人で寝られる十分な広さがあります。
寝る場所は毎日家族でジャンケンして決めますが、いちばん人気は後部座席ですね。
写真:ATSUSHI SUGIMOTO
各自の持ち物は1人につき、キャンピングカーに設置された棚2個分まで。宮崎を離れるときに子供たちもいらないものは友達にあげたりして、厳選をしていました。僕はシャツ2枚とTシャツ4〜5枚、デニム2本、ジャケット2枚、あとはダウンコートを持って行くぐらいかな。
Q2. お金はどれぐらいかかった?
日本から船便でキャンピングカーを輸送し、ヨーロッパのどこかの港でピックアップする予定だというカンマさん。一家5人で移住するにあたり、どのくらいの費用がかかったのか。
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