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お金より自分にとっての幸せを優先


 
「二人でグッとくる所に住もうよ!と日本を回った後、見つけたのが千葉県鴨川市の山の中でした」。

だが、いくら気に入ったと言っても、移住をするとなると先立つお金が必要になる。お金がネックとなって、移住を躊躇ったり、失敗したりすることも多い。

「お金がないからやりたいことを諦める人は多いですよね。でも本当にやりたいことを心底望み、貫き通しているとお金は前からやってくる。僕はずっとないけどあるんです。

まゆちゃんと二人で暮らす前、彼女には貯金がありました。僕は言いました。『全部使っちゃおう』と。これからは二人ですべてを引き寄せるのだから、彼女が今まで稼いだお金はなくして、本当の意味でゼロから始めたかったのです。

実際、まゆちゃんは日に日に『ない、ない』と不安を募らせていきました。で、最終的にはゼロになった。でも死なないわけです。お金がなければ生きていけないという固定概念がしっかりとくっついた上で生きているからそうなるんだけど、その概念を手放すと、助け舟は絶対にやってくる。お金があれば何でもできるかもしれないけど、お金がなくても何だってできるんです」。



鴨川の移住先は知人に紹介してもらった耕作放棄地のど真ん中。最初はテント暮らしからスタートし、何軒もバス会社をあたって、ようやく住まいとなる’70年代のバスをタダで譲り受けることができた。

だが、敷地内にライフラインはない。毎日、水を汲みに行き、外で煮炊きをし、畑を耕し、ドラム缶風呂に入る生活だった。

譲ってもらったバス。仲間とともに手作業での改装が始まる。

バス会社から譲ってもらったバス。ここから、仲間と共に手作業での改装が始まる。


最初は遠巻きに見守っていた地元の人たちとも、徐々に親交が育まれていった。近隣に住む人が、山水から水を引くことを許可し、地元の棟梁が2階建てのゲストハウスも建ててくれた。カンマさんが言うように、お金はないけれど、さまざまな手助けがやってきたのだ。

改装後のバス。

改装中のバス。

内装も自分たちが好きなテイストに仕上げた。

内装も自分たちが好きなテイストに仕上げた。


だがカンマさんはこの生活で、ひとつ反省があると言う。


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