ノースカスケード国立公園内にある、約7キロのハイキングコースでたどり着くブルーレイクにて(写真:筆者提供)
当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちら。 アメリカ本土の北西端に位置する都市圏人口400万人の街、シアトル。日本ではイチロー氏や岩隈久志氏が大活躍したメジャーリーグ(MLB)チーム、シアトルマリナーズの本拠地として、また、スターバックスをはじめとするシアトル系コーヒー発祥の地として有名かもしれません。
でも、今日はそんな都会の顔ではなく、「北米アウトドアの首都」ともいわれるシアトルの知られざる顔を、海外書き人クラブ・ライターがご紹介しましょう。
世にも珍しい、温帯雨林!?
シアトルのアウトドアスポットの最初は、西側にある半島内に位置する「オリンピック国立公園」。年間降水量が3500~4000ミリほどとかなり多く、その雨の恵みから熱帯雨林ならぬ、世界的にも珍しい“温帯雨林”が形成されました。
森の中は苔むしたベイマツなど、針葉樹の原生林がジャングルのように生い茂るのですが、温帯なので蒸し暑くない。そんなちょっと不思議な体験ができるのが、このオリンピック国立公園。1981年には世界自然遺産にも登録されています。何百種類もの苔が確認される貴重な土地に、シカやエルク(ヘラジカ)などの野生動物も生息しています。
世界遺産かつ国立公園ですから、国がしっかり管理していて、ハイキングやトレッキング用のトレイルも整備されています。途中「バナナスラッグ」と呼ばれる最大25センチ(!)にもなる巨大ナメクジに驚いたり、渓流のせせらぎや野鳥の鳴き声に耳を澄ませたりと、のんびり気ままに過ごせる最高のヒーリングスポットです。
うっそうとした温帯雨林の中でのキャンピング体験は、非日常感たっぷり。アメリカでは個々のテントサイトが木々に囲まれ、プライバシーが確保できるキャンプ場が人気(写真:筆者提供)
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