パッと見の印象は無造作なのに、なぜか格好いいから不思議。どうしたって目を引かれる彼の装い……その“タネ”をムリヤリ“明かし”てもらうのが、この連載企画「
種カジ」だ。
彼とは、「お洒落であるより、格好良くありたい」を芯に持つ種市 暁さん。兎にも角にもオモシロイこと!を日々探し続ける、フリープランナーという必殺仕掛け人だ。
その着こなしにオーシャンズが目をつけてから、はや8年目に突入した。
今回は、種市さんの最新コーディネイトと共に、過去の同時季のスタイルをプレイバック! 気になった着こなしは、ぜひリンクをポチッと種明かししてみてほしい。
チャイナ服を使った上級コーデ
寒暖差のある季節の変わり目に頼れるのは、Tシャツにさらりと羽織れる軽いアウターだ。 ここで種市さんが勧めるのは、まさかのチャイナ服!
「少しハイレベルに映るかもしれないけれど、実は大人が選ぶ一枚として結構使えるんです。マオカラーは、ジャケットほど堅く見えないし、上質なシルクなので、艶やかに見えませんか?」(種市さん、以下同)。
シンプルなロゴT×黒パンツといった定番コーディネイトだからこそ、特徴的なアウターがハズしとして効果を発揮している。
黒&紺の“擬似”セットアップ
ダークトーンの上下に、赤い挿し色が洒落ている。
こちら、セットアップかと思うと実は……
「黒カーディガンにネイビースラックスを合わせているので、実はセットアップではないです。インナーはロンTで、羽織らないとストリート感が出てしまう。それを大人らしく収めるのが、黒&紺の“擬似セットアップ”」。
セットアップをハズしてくるとは、さすがお洒落上級者。オンライン会議や対面のディナーミーティングなど、肌寒い日もあるこの時期の仕事スタイルとして活躍しているのだそう。
カシミヤニットのセットアップ
こちらは、リラックス感とシックさが両立したカシミヤニットのセットアップ。在宅ワークでも、大人のきちんと感を欠かさないのが種カジ流だ。
「終日部屋に籠もっているだけなら、スウェットでもいいのですが。ゴミ出しやコンビニなどにも外出するうえ、オンライン会議では身繕いも必要。だから、このハラダマニアのカシミヤセットアップは適役。
スウェット感覚で楽に着られるうえに、極上の肌触り。しかも、アウターのおかげで“きちんと見え”します」。
カシミヤはスリーシーズン着られる天然の機能服。繊維が細く吸湿性があり、この時季でも快適に過ごせるんだとか。
大人に着こなすパーカ×ジャージーパンツ
子供っぽく見えがちなジャージーパンツも、さすがの種市さん。大人見えはもちろん、色気すら漂わせるから不思議だ。
「スウェットパンツじゃユルすぎるけど、ベルベット×ニードルスのジャージーはリラックス感がありながら、きちんと外着に見えて優秀なんです。
ジャージーのコーデを考えたときに脳裏を横切ったのが、映画『スナッチ』のブラッド・ピット。彼が劇中で着用していたパンツを元ネタにして1点赤を利かせつつ、ほかはシックな色みでまとめました」。
実際に劇中のブラピがはいていたパンツは青だったが、パッケージでもトップスで取り入れていた赤を引用し、ヒネリを加えているのだ。
計算ずくの種市暁的オールドスクール
こんなシンプルスタイルにも、種市さんらしい“種”がある。武骨なワークパンツをアンサンブルで大人っぽく雰囲気アップ?と思いきや……
「イイ線いってます。ただこれ、本来はアンサンブルじゃなくて、単に同一ブランドのクルーネックとカーディガンってだけ。色が同じだからアリかと思って。別ブランドでも応用可能です。
(ワークパンツは)昔からずっと好きなエンジニアド ガーメンツ。“ココ”らしいゆるいシルエットは、腹回りが気になるオッサン向けだと、最近新たな魅力に目覚めて」。
さらにコーディネイトを格上げしているのは、腕元のクロムハーツ。シンプルなコーデが増えるこれからの季節には、こんなさりげない効かせワザを試してみたい!
カジュアル見えな夏のスーツ
オフの日もスーツを着こなす種市さん。でも実はこれ、スーツといってもカジュアルなセットアップなのだ。
「こちらは、スーパー100’sという細番手のウール地を使い、淡いグレーながら繊維の光沢がキレイ。そして、国内工場で仕立てた構築的な作りは、うっすらと芯地も入っていてきちんとした見た目が手に入ります」。
ただし、インナーはシャツにしないのが、オフの日スーツの鉄則。こなれて見えるのは、ゆるっとしたクルーネックのおかげだ。
さらに「ピンクは枯れてきたオッサンの血色をよく見せてくれるので、外側がシブさを引き立てるグレーでも、全体をくすませない効果があるんですよ」とも。
なるほど、“グレピン”は魔法の配色ってことですね。
コーデに馴染むビッグサイズシャツ
相変わらずリラックス感満点なスタイル。でも、ここまでビッグサイジングなシャツは、種市さんの中でも挑戦だったそう。
リネン素材で、ロング丈&ドロップショルダー、そして完全に首が抜けるモードな仕立て。そんな一枚を、違和感なく取り入れられるコツは……
「アウターノウンのレーヨンパンツやアイランドスリッパなど、いつものワードローブに合わせているから。こういう挑戦アイテムこそ、自分の土俵に持ち込むことが大切。
モードなビッグシルエットではなく、ビーチなロングカーデくらいの感覚で付き合う。すると結果的に、いつものサーフスタイルがモードでリフレッシュするというわけ」。
寒暖差のあるこの季節、カーデ感覚で着られるシャツは重宝しそうだ。
連載ページでは、種市さんの約8年分のコーディネイトを見ることができる。これからの本格的な夏の着こなしにも、ぜひ参考にして!
[PROFILE]たねいちあきら●東京・下町出身の都市と自然を縦横無尽に行き来する旅男。現在は、フリープランナーとしてさまざまなモノ・コトを仕掛ける業界のキーパーソンに。ファッションや旅、グルメなどのとっておき情報が投稿されるインスタグラムも要チェック!(@taneichiakira)