快適に使える気温は20℃以上が目安
今は気温もちょうどよく、見上げる樹上の新緑も美しい季節。
良い面ばかりを紹介してきたが、ハンモックの弱点にも触れておこう。
ハンモックは薄い布なので、単体で使うと寒さには弱い。寒い時期は断熱用にマットや寝袋を組み合わせて使う必要がある。
「もともと、高温多湿な地域で使うために生まれた道具なので、暑い時期に快適に過ごせることが特徴です。耐寒に関しては個人差があるので一概には言えませんが、単体で快適に使える気温は20℃以上がひとつの目安になります」。
気温に合わせて、どんな道具を組み合わせて対応するかも、ハンモックの楽しみ方のひとつ。
つまり、日中は20℃以上の日が続く今からが、ハンモックに向いているシーズン。特にまだ厄介な虫が少ない今の時期は、デビューするには打ってつけと言えるだろう。
完璧じゃないことが魅力
テントにはない、この解放感。
さらに、組み合わせるタープの張り方や張る場所などで、いろいろな状況に対応できる自由度の高さもハンモックの面白いところ。
テント内の守られた空間に慣れていると、この自由度や解放感の高さを不安に感じるかもしれないが、その足りない部分こそがハンモックの魅力だと二宮さんは言う。
「壁も屋根もないからこそ、テントより自然と調和しやすい。張れないとただの布ですが、どう使えばいいか、工夫する余白がありますよね。この道具として完璧じゃないことこそが、むしろハンモックに魅力を感じる人が増えている理由だと思っています」。
不完全だからこそ、工夫する楽しさがある。ハンモックは、そんなアウトドア本来の楽しみ方を思い出させてくれる道具かもしれない。