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2023.06.13

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110万円の価値アリ!日本初「本物の城に宿泊できるホテル」は甲冑で入場、火縄銃で祝砲etc……


 
連載「有頂天“コスパ”ホテル」とは……

大黒柱のことを「一国一城の主」と言うが、本当に一国一城の主になれる場所がある。

それが愛媛県大洲市にある大洲城に宿泊できる、「大洲城キャッスルステイ」だ。

本物の城に泊まれるのは日本初。だが、ただ泊まるだけじゃない。

「大洲城キャッスルステイ」は、歴史的・文化的価値の高い大洲の有形・無形文化財を見るだけでなく活用したり、体験することで、大洲の文化を後世に継承しようという、観光まちづくりの一環としてスタート。それだけに随所に大洲の歴史を感じることができる、他にはないプランになっているのだ。

そもそも宿泊できる大洲城とはどんな城なのか。


 
大洲城の大元は鎌倉時代末期の地蔵ヶ岳城と言われている。

明治21年に天守閣が取り壊されたものの、4棟の櫓は解体をまぬがれ、国の重要文化財に指定を受けている。

そこで、さらに天守も復活させようと、古い写真や模型などの史料を元に、2004年に木造復元されたのが大洲城だ。しかも完全復元木造天守は日本全国にたった5城しかないという、レアすぎる城なのだ。

さて、このプランのすごいところが、空港に着いた瞬間から本気で殿様気分を味わせてくれるところ。

それは松山空港に到着したときから始まる。

空港の到着ロビーではなんと武士の姿をした家臣(コンシェルジュ)がお出迎え。武士の案内で車に乗り込むと、まずは入城の身支度を整えるため車は大洲市へと向かう。

ここで男性は甲冑姿に、女性は和服へと着替えをするというのだから、おのずと殿様気分も高まるというもの。これには息子や娘も喜ぶこと間違いなしだ。



そして日暮れとともに、いよいよ入城!

だが、ただ城に入るだけではない。なんと大洲城藩主・加藤忠泰の史実を基にした入場の儀式が行われるのだ。


 
この儀式がまた、驚くほど本格的。

法螺貝と陣太鼓の合図で大洲城に入城をすると、武士たちが火縄銃の祝砲を打ち、新たな城主を迎えてくれる。本物の火縄銃の音と煙は迫力満点だ。



さらには殿のためだけに、大洲の伝統芸能、神楽がお披露目されるなど、まるで異世界にトリップしたような感覚を味わえる。しかも自分たちのためだけに行われているのだから、感動もひとしおだ。


 
普段は観光スポットとなっている大洲城だが、この夜は天守と二つの櫓が自分たちだけの貸し切りとなる。ただの観光では気づかないところまで、城内をじっくりと案内してもらったら、お待ちかねの夕食タイムだ。

夕食は国指定重要文化財となっている高欄櫓へ。かつては武将たちが月を眺めていたという風情あふれる空間で楽しめるのは、殿様御前。大洲や近郊で採れた食材を使った料理がうやうやしく運ばれてくる。

重要文化財の中で、うまい料理と地酒でゆるゆるとした時間を楽しむというのも、普段では考えられない体験だ。


 
ほろ酔い気分で天守閣に戻ったら、フカフカの寝具にくるまって就寝。布団の横には、甲冑も飾られていて、眠りにつくその時まで、殿様気分を味わうことができるだろう。



さらに朝食はミシュラン・グリーンガイドジャポンで一つ星を獲得した「臥龍山荘」で和朝食を食べられるなど、大洲の歴史を思う存分堪能することができる。



とはいえ、キャッスルステイは城を貸し切りにするため、お値段もそれなり。なかなか手が出ないという人もいるだろう。

だが、大洲の町には他にも歴史を感じられる宿泊場所がある。それが「文化財一棟貸切プラン」だ。


 
こちらは旧大洲藩主の末裔である加藤泰通が大正14年に建築した、国の登録有形文化財である「旧加藤家住宅主屋」をまるっと一棟貸切にできるというもの。

この建物、大洲市の観光スポットにもなっているのだが、このプランでは、一般公開されていない1階の一部と2階の合計171平方メートルが貸し切りにできるのだ。

旧大名家らしい格式を感じる広々とした空間は、細部にまで凝った意匠が施されていて、あちこちと観察しているだけであっという間に時間が経ってしまう。



また全面ガラス障子になっているため、室内は明るく開放的な雰囲気。日本家屋の風情を感じてもらおうと、テレビや時計、明るすぎる照明などは設置していないのもこだわりだ。

時が止まったかのような、ゆったりとしたひとときを過ごすことができるはずだ。


 
夕食は国の指定文化財である「南隅櫓」で。歴史を感じる重厚な空間のなかで、愛媛あかね和牛や近海の魚介をフレンチ仕立ての料理で味わうことができる。また宿泊者限定のプライベートハウスも用意されていて、こちらでは大洲城のライトアップを眺めながら入浴をしたり、ドリンクを無料で楽しむこともできる。


 
他にも城下町に点在する歴史的に価値のある邸宅に泊まれるプランなども用意されているので、予算に合わせて選ぶのもいいだろう。

他では体験できないタイムスリップ気分を味わいに、大洲まで足を伸ばしてみてはいかがだろうか。

[施設詳細]
NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町
住所:愛媛県大洲市大洲888
電話:0120-210-289(VMG総合受付窓口 11:00〜20:00)
料金:「大洲城キャッスルステイ」110万円(夕・朝食付き 2名分)、1名追加ごとに+10万円、「文化財一棟貸切プラン」10万6589円〜(夕・朝食付き 1名分)
www.ozucastle.com

林田順子=取材・文

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