’70年代後半から’80年代前半のジーンズをベースにしながらも、モダンにアレンジ
2月のブランドデビューとともにリリースされたのは、ストレートとフレアの2型、それぞれツインウォッシュとリジッドの2色。
どちらも’70年代後半から’80年代前半に発売されたデザイナーズデニムをベースとしているが、ミリ単位でパターンを修正しているため、当時の懐かしさがありつつも、ユニセックスかつモダンに仕上がっている。
特にこだわられているのが、ウォッシュの加工。トロ松氏のお気に入りの国産ブランドがかつて手掛けていた独特の色を、色味も製法も含め、忠実に再現されているという。
なぜ、それができたのか……。当時そのデニムの加工を担当していた人物を、八橋氏が探し当てたのだ。まさに、情熱と執念によって再現された加工と色だと言っても過言ではないかもしれない。
ストレートはスラックスを思わせる上品なシルエット
1CH ノンウォッシュ ストレートフィットジーンズ 1万9800円
1CHツインウォッシュ ストレートフィットジーンズ 2万2000円
ストレートのベースは、1970年代から1980年代前半にディスコフリークらがこぞってはいていた、キレイなシルエットと腰回りの仕様が特徴のNYのディナージーンズ。
カーブベルトとヨークを採用することで、腰回りとヒップのフィット感がアップされており、スラックスを思わせるシルエットに仕上がっている。スラッシュポケットが採用されているのも、上品に見えるポイントだ。
品よく見せるために、内側のステッチをデニムと同系色にするなど、細かいところにもこだわられている。
1970年代を彷彿させる股上深めのフレアフィット
2CH ノンウィッシュ フレアフィットジーンズ 1万9800円
2CH ツインウィッシュ フレアフィットジーンズ 2万2200円
フレアは当時サーファー人気だったLAのディナージーンズがベース。ストレートとは違い、ヨークを入れずに広めの腰テープにし、ヒップをすっきりさせたフレアストレートのような独特なラインが特徴。深めの股上でが当時のスタイルを彷彿とさせるが、裾先にかけてのシルエットは美しく、実にモダン。
トロ松氏のクリエイティビティが爆発する、クセの強い広告にも注目
ジーンズと同じくらい、トロ松氏がこだわっているのがタグや広告だ。
20年以上に渡り古い雑誌を収集してきただけあり、当時の広告や印刷物に関する造詣が深い。氏が作り出すものは、いい意味でアナログ感があり、当時の浮き足だった感じが表現されているのが面白い。
本業の編集ライターそっちのけで、広告やタグの制作に夢中になったトロ松氏ののめり込みが伝わってくる。
その甲斐あってか、完成したものに対する評価も高いようで、現在では広告がポスターとして売り出されてもいる。そちらもぜひチェックしてほしい。
トロ松氏の「昭和アメリカ」愛と、八橋氏のジーンズに対する情熱が詰まったCRT。クセが強めだからこそ、他にはない魅力に溢れている。一度足を通せば、あなたもその虜になるはずだ。
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