新旧交じるカトマンズの混沌を楽しむべし
風光明媚な景観に、自然と調和するリゾートホテルがオススメの宿泊先だという竹内さんだが、ネパールの醍醐味は“圧倒的なギャップ”にあるという。
「首都カトマンズでいちばんの賑わいを見せるタメル地区では高層ホテルに滞在しました。窓からはヒマラヤも見えるし、スワヤンブナートなどカトマンズの名所も見えました。
ホテルを一歩出ると、こういう光景が見れるのもネパールの面白さ。これは一種の盗電なのですが、電線がこれだけ絡まっても事故にならないのが不思議なぐらいです。ラグジュアリーなホテルと街の喧噪のギャップが楽しいんですよね」。
街のなかにある水場。
日本では一家に1台洗濯機があるのが一般的だが、カトマンズでは、今でも共同の水場を使用している家庭もある。
「カトマンズは盆地で、昔から水に不自由しています。今はトラックで運んできますが、昔から人々はこうやって共同の水場を使ってきました。それでも30年前からは随分と変わりましたよ。以前は停電も頻繁にあったけど、最近はそういうことも少なくなりましたし」。
以前と違って大きく変わったのが、サービスの料金体系だという。
「タクシーに乗るにしても、つい最近までは値段交渉が当たり前でしたが、最近は料金が固定され、値切る必要がなくなりました。しかも、タクシー用のアプリが導入されたので、日本と同じように乗りたいときにタクシーを呼ぶことができます」。
旅行者にとってかなり楽になった反面、寂しさも感じるという。
「タクシーに限らず、一般的なお店でも、店員との値段交渉が少なくなりました。彼らの給与体系が出来高制から固定給に変わったことも大きな理由だと思います。お互いに勝負するように値切っていた頃が懐かしいですね(笑)」。
かつてを知る旅行者としては物足りなさもあるようだが、新旧入り混じるネパールもまた面白そうだ。
でもやっぱり山!という人には……
時間がない人、山歩きは苦手という人でも、ヒマラヤを味わうことはできないのか。竹内さんに尋ねると……
「ヒマラヤトレッキングの王道というとエベレスト街道です! 玄関口のルクラまで双発機でフライトしたあと、山村を何日もかけて歩いていきます。エベレストのベースキャンプまでとなると、高地順応も必要なのでルクラから片道1週間ほどかかります。
そんなに長い休みが取れない方には、『マウンテンフライト』もオススメですよ。早朝にカトマンズから小型ジェット機が飛びます。フライトの実施日が少ないので確認が必要ですが、短時間でヒマラヤの名峰を眺めるのにぴったりです」。
エベレストを含むヒマラヤ山脈の眺め。実際のマウンテンフライトではもっと間近でエベレストを眺めることができる。
ネパールは夏にモンスーン期があるので、山を眺める旅をしたいのならば秋から冬、春先にかけてがベストだそう。
次の旅先は、プチ冒険気分でネパールを選んでみてはどうだろう?