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2023.04.25

ライフ

ワールドクラス王者が来日! “世界一”の絶品カクテルは「シングルトン」が支えていた



「タンカレー」や「ドン・フリオ」などのプレミアムリカーを世界180カ国で展開するディアジオ社が2009年から行っているのが、世界最大級のバーテンダーのコンペティション「ワールドクラス(WORLD CLASS)」。

2022年は世界50カ国以上の国と地域から“Bartender of the Year”の座をかけて多くのバーテンダーが応募した。


一夜限り! 世界チャンピオンが作るカクテルを飲めるイベントに潜入



その2022年の世界チャンピオンに輝いた、ノルウェーのバーテンダー、エイドリアン・ミヒャルシック氏がこのたび来日。2023年3月23日には東京・渋谷のバー「ザ ベルウッド」で一夜限りのイベントを開催した。その熱い一夜の様子をお届けする。

2022年度のバーテンダー世界チャンピオン、エイドリアン・ミヒャルシック氏。

2022年度のバーテンダー世界チャンピオン、エイドリアン・ミヒャルシック氏。


イベント当日は生憎の雨にも関わらず、世界一のバーテンダーのカクテルを飲もうとイベント前から店は大勢の客で大賑わい。

22時過ぎ、エイドリアン氏がカウンターに立つと、その様子を見ようと近隣のバーからは、店を抜け出したバーテンダーも訪れ、深夜になってもウエイティングの列ができるほどの熱狂に包まれた。

会場となった東京・渋谷のバー「THE BELLWOOD」。

会場となった東京・渋谷のバー「ザ ベルウッド」。


では、世界チャンピオンが作るカクテルとはどんなものなのか。

今回、エイドリアン氏がカクテルラバーのために用意したのは、「ザ シングルトン ダフタウン12年」を使い、スコットランドウィスキーの魅力や背景を、自然の四大元素「フォーエレメンツ」で表現した4つのカクテル。

①「Air」


気を表す「Air」は“材料もテクニックも変わらないのに、ウイスキーの味が違うのは、風が影響しているのではないか”という着想から生まれたショートカクテル。

シングルトンに青じそとユーカリを漬け込むことで表現した、清涼な空気のような爽やかな味わい。さらにひよこ豆を漬け込んだ水を使うことで、フワフワとしたエアリーで軽やかな口当たりとなっている。

②「Water」


スコットランドには“今日の雨は明日のウイスキー”という言葉があるというほど、ウイスキー造りには良質な水が欠かせない。

そこで「Water」では、同じように水がないと成長できない花をテーマに、「シングルトン」に華やかな味わいを持つグリーンアップル、エルダーフラワー、ジャスミンティーなどをプラス。ウイスキーベースとは思えないほどフローラルな香りと味わいを実現。仕上げにかすみ草を添えた、見た目にも華やかなカクテルは女性にも大好評。

③「Fire」


ウイスキー造りの工程では多くの火を使うため、蒸留所は常に暑く、なかでも蒸留機と蒸留機の間は、“スコットランドで一番暑い場所”とも言われている。その炎の温もりを表現したのが「Fire」。「シングルトン」に、グリルした赤パプリカを漬け込んだヴェルモット、甘口のシェリーなどを加えて、スモーキーでスパイシーな味わいに仕上げられている。

④「Earth」


大地を思わせる芝の上にグラスをのせた「Earth」は、スコットランドの大麦文化へのオマージュを捧げたカクテル。ポートワインやチョコレートリキュールを合わせた、濃厚でボディのある味わいは、まさに肥沃な大地のよう。こっくりとした深みのある味わいは食後酒としても楽しめると大人気だった。

複層的な味わいを持つ「ザ シングルトン ダフタウン12年」の違った側面を引き出した4種のカクテル。同じウィスキーを使っているとは思えない、バリエーションの幅広さこそ、カクテルの醍醐味とも言えるだろう。世界チャンピオンのカクテルは一夜限りだったが、ぜひバーを訪れて、ウィスキーの持つ様々な可能性を楽しんでみてほしい。
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