「オールバーズ」共同創業者 ティム・ブラウン
▶︎すべての写真を見る 人気のフットウェアブランド「オールバーズ」を手掛けるティム・ブラウンさん。
多忙な日々を過ごす彼のFUN-TIMEは「好奇心を刺激してくれる、子供と遊ぶ時間」だった。
子供と遊ぶ時間は好奇心も刺激してくれる貴重なFUN-TIME
「実は私、レゴが大好きなんです。大人がレゴ好きを公言するとちょっと引かれてしまいますが、子供たちと一緒ならば堂々と遊べるので都合がいいんです(笑)」。
ティムにとってのFUN-TIMEは5歳と3歳の子供たちと一緒に過ごす時間。満面の笑みを浮かべながら子供とのレゴ遊びについて話すその表情から、我が子への愛情をひしひしと感じる。
そんな子煩悩なティムには、子供と遊ぶ以外に日常のFUN-TIMEがふたつある。どちらも、彼自身のキャリアに大きく関係すること。
「ひとつ目はサッカーをすること。元プロサッカー選手ですから、プレーをする機会があれば喜んでやりますね、やっぱり楽しいですから。
そしてふたつ目は友達に会うことです。世界中にクリエイティブな友達がいるので、そういう人たちと話をして、インスピレーションを得るというのも私にとって貴重なFUN-TIMEとなっています」。
自身が手掛ける、人と環境に配慮したフットウェアブランド「オールバーズ」が誕生するきっかけは、プロサッカー選手として活躍をしていた当時に遡る。
それはユニフォームやスパイクの大量生産や消費について興味を抱いたことから。
「プロ選手として契約をしているときはいろんなものを支給していただきましたが、大部分がプラスチックや合成素材、デザインはロゴだらけのもので、なぜこうじゃなきゃいけないのかという素朴な疑問が湧き上がったのです。
昔から環境問題に興味があったわけではありませんが、幼い頃に母から『洋服を買うときはちゃんと素材をチェックして、天然素材のものを着なさい』と言われていたので、おそらくそういう経験が背景にあるのだと思います。
特別なビジネス戦略や壮大な計画があったわけではなく、純粋に自分の好奇心からで、それが今の『オールバーズ』につながっています」。
旺盛な好奇心がきっかけとなり、社会人経験がないにもかかわらずいきなり起業するが、ティムも人の子。恐怖心がないわけではなかったという。
ただそんなネガティブな思いに対し、どこか達観していた。これはサッカーを通じて学んだこと。
「スポーツでもビジネスでも何かに挑戦するときは少なからず恐怖心はあるので、そこを理解し、うまく付き合っていくことが必要なのだと思います。
どんなに自信満々に見える人でも、どこかのタイミングで、不安に苛まれることが必ずある。ただそれはみんな同じだということを知ることで、少し気が楽になるんです」。
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