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リニューアルを施し、もっと愛着深い場所へ

鉾田市建設部都市計画課 建築係 主事 市村航祐さん●1998年、茨城県生まれ。県外の大学を卒業後、「暮らしやすく、のどかな環境が魅力」という地元へUターン。「より良い街づくりに貢献したい」と鉾田市役所に就職。一方、プライベートでは最近キャンプをはじめ、休日になると近隣のキャンプグラウンドへ。友人たちとアウトドアで過ごす時間を楽しんでいる。

鉾田市建設部都市計画課 建築係 主事 市村航祐さん●1998年、茨城県生まれ。県外の大学を卒業後、「暮らしやすく、のどかな環境が魅力」という地元へUターン。「より良い街づくりに貢献したい」と鉾田市役所に就職。一方、プライベートでは最近キャンプをはじめ、休日になると近隣のキャンプグラウンドへ。友人たちとアウトドアで過ごす時間を楽しんでいる。


取材後、園内で撮影をしていると海岸線沿いにある広場でひとりの女性がキャンバスを立てて水彩画を描いていた。声をかけてみると、その人は東京から移住してきたのだという。

ご主人の出身が山のほうだったこともあり、「余生は海の近くで暮らしてみたい」と移住先を探し、縁があって鉾田市と出会い移り住んできたのだった。

東京から距離の近い湘南ではなかったのですね。そう聞くと「目的が余生を過ごす場所ですから。湘南はもっと若い人たちの場所のように思えて」と答え、「ここは静かでとても過ごしやすいですよ」と話してくれた。

そして移住後の暮らしをさらに豊かにしてくれたのが、この鹿島灘海浜公園だったという。

「実はこっちにくるまで公園の存在は知らなかったんです。今日は天気が良く、ぽかぽか陽気で、青い海もとてもきれい。こんな美しい風景と暮らせるなんてラッキーですよね」。

さらに、海でのアクティビティはされないんですか、と聞いてみる。すると「興味はあるんです。せっかく海の近くに越してきたわけですから。でも、どこへ行けば始められるのかがわからなくて。サーフィンとか、してみたいんですけどね」と明るい笑顔を交えて教えてくれた。

突然の声がけにも丁寧な対応をしてくれた女性との会話はわずか数分。立ち話といった雰囲気ながらも、彼女の言葉は示唆に富み、公園のユーザビリティを向上させるうえでの多くのヒントがあった。

国際基準のビーチパークへ。進化の余地は、まだ多分に残されていると感じるひとときだった。

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熊野淳司=写真 小山内 隆=編集・文

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