▶︎すべての写真を見る 日本一のヴィンテージデニムオタクが手掛ける理想的デニムは、目の肥えたマニアはもちろん、トレンドに敏感なファッション好きをも虜にする逸品だという。
単なる“ヴィンテージ風”とは何が違うのか? その素性を追ってみた。
「ニューマニュアル」の超理想的ヴィンテージ
1990年代前半にヴィンテージデニムの復刻ブームが到来。生地や加工にこだわった繊細な作りは古着業界に衝撃を与えた。
その後、多くのデニムブランドが誕生し、各社が切磋琢磨した結果、現在国内には世界最高峰の品質を誇る復刻デニムが数多く存在している。
新ブランド、ニューマニュアルもその系譜上にあるが、クオリティにおいてはほかのブランドとは一線を画す。
右は1960年代前後に存在した、フロントがボタン仕様になっている幻のスリムストレートジーンズがモチーフ。藤原さんが最もお気に入りのシルエットだ。左は’36年以前のジャケットがベースで、ボタンは通常よりも小ぶりな「小ボタン」仕様。背中に見られる2枚の生地を合わせることで生まれたT字ステッチ(通称Tバック)も当時を表現した意匠。デニム4万9500円、デニムジャケット6万3800円/ともにニューマニュアル instagram@new_manual
手掛けるのは原宿の古着店、ベルベルジンのディレクターであり、ヴィンテージデニムアドバイザーの肩書を持つ藤原裕さん。
このブランドではさまざまなヴィンテージコレクションを展開しているが、藤原さんの専売特許であるデニムには並々ならぬこだわりが詰まっている。
「これまで何万という数のヴィンテージを見て、所有もしてきました。ニューマニュアルでは私の経験や知識、私物コレクションをもとに、従来のレプリカとは異なるアプローチからものづくりを展開しています。
例えばブランドの魅力である加工は、世界的メゾンから信頼の厚い岡山のデニム加工会社『癒toRi18(ゆとり)』が手掛けていて、シワの入り方や色落ちは、長年私が着込んだお気に入りをモチーフに忠実に再現。
そのうえ、加工だけでなく、身幅やレングスなどのサイズ感は今のファッションにマッチするように微調整しているのがポイント。
今っぽく着られるヴィンテージは、なかなかないんです。それを解決する、超理想的ヴィンテージを追求しています」。
ヴィンテージオタクの理想を具現化した究極のデニム。一度着れば、デニムのことが今よりもっと好きになるはずだ。