音楽はもちろん、グルメやファッション、車、時計など、幅広い分野にこだわりを持つ河村隆一さんが、友人のラジオDJ・ジョー横溝さんとともに「未来に残したい東京グルメ」を紹介!
連載「Tokyo食文化遺産」とは…… 今回訪れたのは下町風情漂う、深川エリア。駅弁でお馴染みの深川めしだが、そこには壮大な歴史とロマンが詰まっていた! 古き佳き東京の食文化を残すべく、今日も河村隆一、動きます。
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【未来に残したい東京の食文化vol.5】東京名物「深川めし」
隆一 はじまりました! 記念すべき第5回は、「深川釜匠」にお邪魔します。
ジョー はい! 東京都の東、江東区深川までやってきました。
隆一 「Tokyo食文化遺産」ですから、やっぱり東京で育った名物がいいですよね。ということで、今回は深川めしを食べたいと思います。入ってみましょう。
ジョー 今日もよろしくお願いします!
ようこそ、知られざる「深川めし」の世界へ
ジョー 店内はお家みたいな感じで素敵ですね〜。
隆一 昭和を生きてきた僕らは、この懐かしさに癒やしを感じますね。
ジョー 親戚のおじさんの家に遊びにきた感じ。この深川という地域は、散策していても下町の雰囲気を感じてとっても素敵ですよね。
隆一 素晴らしい。
ジョー 今回、この深川めしについてご紹介してくださる、社長の池畑直樹さんです!
隆一 よろしくお願いします。深川めしの歴史は古いんですか?
社長 江戸時代くらいからあったみたいで、『鬼平犯科帳』とかにも出てきますね。
隆一 僕、『鬼平犯科帳』好きなんですよ。
ジョー 意外!(笑)
隆一 食事のシーンがすごく良くて。
ジョー 深川めしの発祥は分かってるんですか?
社長 このあたりでよくアサリが採れていて、漁師さんが冷たいご飯に温かいアサリのお味噌汁みたいなものをかけて食べたのが発祥と言われています。
ジョー なるほど〜。メニューについても教えてください。
社長 「深川めし」はアサリの炊き込みご飯です。「深川丼ぶり」は、白いご飯にアサリがお出汁ごとかかっているもので、お出汁がお茶漬けくらい多いです。古くからあったのは、実は「深川丼ぶり」のほうなんです。
ジョー 炊き込みご飯のイメージが強かったけど、「深川丼ぶり」の方が古いんですね!
隆一 そっか! さっき教えてもらった発祥の話のどおりだ。
ジョー 隆一さんどうします?
隆一 う〜ん。悩むけど、来る前から食べたいと思っていた炊き込みの深川めしにします。ジョーさんは?
ジョー 私は選べない人間なので、「深川めし」も「深川丼ぶり」も両方食べられる「深川セット」にします!
ジョー ちなみに、どのテーブルにもサランラップが置いてあるのですが、これは……?
社長 深川めしは量が多いので、食べきれない方はおにぎりにして持って帰っていただければと思って置いています。
ジョー 優しいお心遣いですね〜。
隆一、熱弁! 損得で考えない高級時計の愛で方
隆一 そうそう、ジョーさん、今日は目の調子が悪くて、すみません。メガネをかけてさせてもらってます。
ジョー 可愛らしいですよ。
隆一 最近、アラレちゃんメガネって、SNSでもみんなメガネに反応していただいて(笑)。
ジョー メガネ萌えしてらっしゃる方もいるんですね。小物類といえば、隆一さん、今日の時計は?
隆一 今日はパテック フィリップのノーチラス 「5712」という時計です。ステンレススチールのケースで軽く、パワーリザーブ、ムーンフェーズ、日付なんかがついています。
ジョー ノーチラスといえば超高級時計ですよね。
隆一 この1年くらいで時計の値段がすごく高騰していて、時計を好きじゃない人も投資目的で買うようになった。本当に時計が好きだった人が買えないような状況になってるんですよ。
ジョー 手に入りにくくなっているんですね。
隆一 いつも思っているのは、マネーゲームはそれはそれでいいんだけど、僕は値段が上がろうと下がろうと、この時計が好きで買ってるんですよ。
ジョー 投資とか関係ないんですね。
隆一 オーシャンズ読者の方はきっと、ファッションや時計、車など、自分の好きなものがある人たちが多いと思うから、ぜひ損得じゃなく、自分の好きなものを集めてほしいですね。
ジョー 本当にそう思います。
隆一 自分の好きなものを愛して、それが20年、30年経って子供とか、次世代に引き継いでいく。これって、本当に美しいことだと思うんです。
ジョー それはファッションだけじゃなく、いろんなことに言える話ですね。どうしても今は損得を基準に動いてしまうけど、まずそれが好きだっていう気持ちを大事にしないといけませんね。
驚きのボリューム! 深川めし、着丼!!
隆一 おおっ、いい匂いがしてきた。そろそろかな!?
ジョー おぉ、きた!
深川セット(深川めし・丼ぶり・大根サラダ・お新香・味噌汁・昆布・デザート付)1990円(※現在は2290円)。アサリとネギと油揚げを特製の出汁で煮込み、卵黄をのせたぶっかけ丼ぶり。
隆一 うわー、すごい!! これ通常の量なんですか!?
店員 はい。
ジョー すっごい!
隆一 卵が2個も乗ってる。すごい量、そして美味しそう!
ジョー あっ、隆一さんのもすごいですよ!
江戸名物深川めし(味噌汁・お新香・昆布付き)1190円。こだわりの出汁でふっくら炊き上げられたアサリとしめじの炊き込みご飯
隆一 こっちもすごいボリュームだ!! 溢れちゃいそう。
ジョー 構わずがっつりいっちゃってください。
隆一 あっ……。深いですね〜。
ジョー 深川だけに!
隆一 アサリの出汁の染み込み方がすごい、アサリの味が濃く出てる。
ジョー うまそう!
隆一 イメージは中華の干しアワビ、干して味が凝縮された貝の出汁の感じに近いかも。とにかく、うまい! ハマったら週一くらいで食べちゃうかも。
ジョー 栄養のバランスもいいんじゃないですか。
隆一 タンパク質と炭水化物のバランスも良さそうですよね。そしてこの値段でこのボリューム。
ジョー 僕の丼ぶりもちょっと食べてみてください。
隆一 あぁっ。これはお揚げという武器を使っていますね。
ジョー “武器”!?(笑)。
隆一 う〜ん、美味しい! アサリっていろんな顔を持っていますね。ビックリしました。
ジョー アサリ七変化的な感じだ。
隆一 溶き卵が絡まるとまろやかさもあって、美味しい。
ジョー 本当だ、これはうまいわぁ〜。出汁が本当に効いてて、ご飯なのにお酒を飲みたくなる味ですね。アサリも数えようとすると気が遠くなるくらい入ってる。
隆一 これは猟師町じゃないと生まれなかった食べ物かもしれませんね。
ジョー 今はこの辺りは埋め立てが進んで海は近くないけど、ここらへんでアサリが採れたんだと、昔のことを思いながら食べるのもいいですね。
隆一 アサリが採れたってことは、大部分が海だったってことですよね。
ジョー 家康の時代は、江戸は水の都って思われていたらしいですから。イタリアのベネチアみたいなイメージだったって聞いたことありますよ。
隆一 イタリアで思い出した。ナポリのレストランに行ったとき、食材をそのお店に卸しにきた漁師さんたちと一緒にそこでご飯を食べたことがあって、「ああ、地産地消ってまさにこういうことだな」って思ったんですよね。
ジョー 地元の人たちが採って、地元の人たちが愛して育ててきた食べ物、まさに深川めしとかはそれですよね。
ジョー どうしてこんなにシンプルなのに美味しいんだろう。
隆一 シンプルだからこそ、それだけこだわっているんでしょうね。これだけアサリが入っていて、ひとつもジャリッていわないのもすごくない?
ジョー 確かに。使うアサリも砂抜きもこだわっているんだろうなぁ。
隆一 これは子供の頃に食べたら、忘れられないソウルフードになりますね。
実は家庭的! 河村隆一、おにぎりを握ります!
隆一 それにしても、本当に量が多い! 半分くらい食べたんだけど、まだまだかなりの量が残っているので、サランラップをお借りして持ち帰りましょう。
ジョー おにぎりとか握ったことあるんですか?
隆一 もちろん! 自分で握って食べることもありますよ。
ジョー ロックスター河村隆一が! 意外すぎる! 河村隆一がサランラップを切るところも宇宙初公開ですよ(笑)。
隆一 (にぎにぎ)どう? いい感じに握れてるかな?
ジョー いい強さと、いいカタチ!「これを抽選で一名様に……」って言いたくなります(笑)。
隆一 消費期限もあるのでプレゼントできないのが残念ですけど、持って帰って僕がいただきます。
ジョー 残さずお持ち帰りできるのはいいですね。
隆一 よし、もっと握りまくろう!(にぎにぎ)
隆一 それにしても、江戸時代から残る食文化ってすごいですよね。なくなったものもいっぱいあるはずだからね。
ジョー 美味しいから残るっていうのもあるけど、偶然が重なった結果でもあるんでしょうね。
隆一 物が採れなくなってもダメだし、価格が高騰してもダメだし。
ジョー かと言って注目されなくなってもダメだし……って言いながら、隆一さんめっちゃ握ってる(笑)。
隆一 3つできましたよ。
河村隆一作、深川めしのおにぎり。曰く「親子みたいな大きさになっちゃった」。
隆一 今回の江東区のように、こういう歴史のある下町の風情のあるところにこれからも行きたいですね〜。
ジョー となると、次は台東区あたり?
隆一 いいですね。あと、浅草とかもいいかもしれない。浅草寺で煙を浴びてからロケをスタートして、そのあともんじゃとか。
ジョー これからもいろんなところに東京の食文化を探しに行きましょう。
隆一 今回もごちそうさまでした! 美味しかったです!
深川釜匠
住所:東京都江東区白河2-1-13
営業:11:00~22:00(21:00L.O.)、火・木曜は15:00まで
月曜定休
電話:03-3643-4053
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