「弊社の看板娘」とは…… 知らない駅周辺を散歩するとさまざまな発見がある。
今回降りたのは調布市の布田駅。
▶︎すべての写真を見る 新宿から約30分、調布のひとつ手前です。
駅から歩くこと数分、ガレージっぽい建物を発見した。
住宅街に突然現れたここ、じつは「BYRE(バイアー)」という古着屋なのだ。
中を覗くとーー。
看板娘、いました。
さっそくご登場いただきましょう。
「よろしくお願いします」。
こちらは富澤有里加さん。調布生まれの調布育ち、生粋の調布っ子だ。
「お母さんが服飾系の専門学校を出て、服飾系の会社で働いていたので、家に生地やビーズがたくさんある環境で育ったんです。私もそれを使ってアクセサリー、ポーチ、人形とかを作っていました」。
美大を目指すようになった有里加さんは、高3から新宿の美術予備校に通う。
予備校時代のデッサン。
晴れて武蔵野美術大学に合格すると、金工を専攻した。1年生のときに服飾、陶芸、ガラス素材など、いろんな分野の勉強をしたが、最終的に選んだのが金工だったという。
「自分が好きなものを作る授業があって、私は多肉植物をモチーフにしたオブジェやアクセサリーを作りました。棘が均等に並んでいたりとかのビジュアルが好きなんです」。
今も作り続けている金工作品。
ネイルも指輪も自作。
「家で時間があると絵を描いています。たなかみさきさんというイラストレーターが描く女の子がかわいくて好きです」。
日本大学芸術学部を卒業後、熊本に移り住んだイラストレーター。
休日はちょっと遠出して美味しいものを食べる。
お気に入りは房総半島の海鮮物だ。
館山の老舗定食屋で食べた海鮮丼。
そんな有里加さんを推薦してくれたのは、古着屋を経営する小野将平さん。彼も調布っ子で、ここが実家なのだ。
「僕が古着担当で、彼女は植物担当という共同運営なんです。自分にはない感性や技術、知識があるので、新たな視点からのアドバイスなどをもらえています」。
「お花や植物に対して、とにかく熱心です」と称賛する小野さん。
面白いのはこの場所が、祖父の代から営んでいた牛舎だったということ。乳牛を育ててミルクを出荷していたそうだ。
「僕は大学時代に南アフリカのケープタウンに留学したんですが、そのときに父親から『牛舎を閉めようと思う』と連絡がありまして」。
往時の牛舎時代。
「実家だし、スペースも広いし、もったいないなと思いました。そこで考えたのが自分が好きな古着を販売する店にできないかということでした。イメージはケープタウンでよく行っていたウィークエンドマーケットです」。
ドラッグディールやギャングがはびこっていて治安が悪かった場所がマーケットに。
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