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時代の変化を認めつつ、普遍的な魅力も伝える

いくらデニムが好きでも、「いつも昔のカウボーイみたいな格好をしていたらアカン、みたいなところもある」と藤木さんは言う。故に、昔からヴィンテージと現代をクロスオーバーさせて物事を考える癖がついていたという。

2017年にスタートしたウエアハウスの人気シリーズ「セカンドハンド(通称“セコハン”)」シリーズも、奥底にはそんな視点がある。



「“色落ちした古着をジャストサイズで選べますよ”というスタンスのレーベルで、僕は長いことメーカーにいますけど、加工デニムでこれだけの反響とその継続を見たのは初めてです。

加工デニムではありますが、エイジングも楽しめるように作っている。育てるのもいいけど、このデフォルトで褪せた感じもカッコイイよねっていう、万人にハマるデニムですね」。



「このデニム、元はもっと濃い色だったんです。3、4年はいてこうなりました」。

こんなにいい色味になってもなおフォルムをキープしているのは、特殊加工で生地を痛めないように作っているからなのだとか。



「昔は『リーバイスXXは丈夫で、100年経ってもこの状態で残っている』ということが重視されていました。だからこそ10年、20年はきこんでその雰囲気に近づけようという意識も持たれていましたよね」。



しかし、と藤木さんは続ける。

「一般のお客様が土日だけデニムをはいても、その再現は正直、難しいところがある。むしろ、ヴィンテージ感があって、サイズ感もちょうどいいものがあればそちらを求めるでしょう。僕は、そういった需要に適ったデニムがこの先も選ばれていくだろうと思っています」。

鈴木寿教=写真 菊地 亮=取材・文

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