ジャケット5万8900円/バブアー×アークネッツ(アークネッツ 028-634-1212)、パーカ2万7500円/ベドウィン& ザ ハートブレイカーズ 03-6447-0471
格好良い車に乗りたい。でも利便性には妥協はできない。家族を持つ男の永遠のテーマだ。
車に一家言持つ3人の視点から見えてくる、新しいファミリーカー像とは。
ジープ コマンダー
2022年10月に発表された7人乗りのミッドサイズSUV。ジープ本来の野性味・走破性と優雅なルックスが調和し、フィールドを問わず活躍する。ゆったりした3列シートやパワフルでクリーンなターボエンジンなど、装備も充実。知れば知るほど、心惹かれる出来栄え。
全長:4770×全幅1860×全高1730mm
総排気量:1956cc
乗客定員:7名
価格:597万円〜
[理由 1]ジープの歴史をしっかりと受け継いだ機能美
| 歴史を語るのは モータージャーナリスト サトータケシさん Age 56 フリーランスのライター/編集者。自動車雑誌「NAVI」の副編集長を経て、独立。自動車関連雑誌やウェブサイトで執筆を行う。2児の父。 |
ご存じのとおり、SUVが人気で、2021年に日本で売れた乗用車のうち3割以上をSUVが占めている。数年のうちにミニバンを抜き、SUVが乗用車でいちばんの多数派になる見込みだ。
そして街を走るたくさんのSUVは、すべてジープの“末裔”である。
ジープの物語が始まったのは1941年。「軽量偵察車」を開発してほしいというアメリカ陸軍の依頼で生まれたウィリスMBが、初代ジープだ。陸軍からのリクエストを簡単に説明すると、どこへでも行くことができて、耐久性が高いということだった。
デザインというと、つい格好良いという言葉が浮かぶけれど、初代ジープには表面的な格好良さは求められなかった。急斜面を登ったり駆け下りるときにボディのどこかが引っかからないことや、乗り降りがしやすいこと、重い荷物をたくさん積めること。
こうした機能を最優先した本質的な造形が求められた。これは現代にいたるまで、ジープの全モデルに共通している。ジープのデザインに惹かれるのは、うわべだけの格好良さではなく、本質を突いた造形美であるからなのだ。
ちなみに、ニューヨーク近代美術館(MoMA)には、「きわめてまれな機械芸術表現のひとつ」として、初代ジープが展示されている。
軍用のジープは第二次世界大戦で大活躍し、これに刺激を受けたヨーロッパ各国はジープを手本にした四輪駆動車の開発をスタートした。だから世界中のSUVは、すべてジープの子孫なのだ。
戦争が終わると、ジープはアウトドアや旅行など、平和な目的で使われるようになる。するとジープの機能はそのままに、ラグジュアリーなモデルが誕生するようになった。それが’62年に登場したジープ ワゴニアで、現在のラグジュアリーSUVの先がけとなった。
初代ジープのスピリットと悪路走破性能を秘めたラグジュアリーSUVは、ライフスタイルの多様化に合わせて、バリエーションを増やしていった。例えば’93 年に発表された初代ジープ グランドチェロキーは大ヒット、現行モデルも世界中で支持されている。
そして、そのグランドチェロキーのコンパクト版ともいえるのが、ジープ コマンダーだ。
「どこにでも行ける」という、初代ジープから引き継ぐ伝統。一方で、快適性は日進月歩で進化している。伝統と革新の融合を、形として表現したものがコマンダーのデザインなのだ。
写真で見る、歴史を受け継ぐエビデンス
すべてのSUVがこの車のDNAを引き継ぐ
ウィリスMB(1941年式)ウィリスMBと呼ばれた初代ジープは、1941年に完成。その悪路走破性能を発揮してさまざまな場面で活躍、近代戦のあり方を変えた。
ラグジュアリーSUVはこの1台から始まった
ジープ ワゴニア(1963年式)1962年に発表されたジープ ワゴニアは、フルタイム4WDや4×4初のオートマチックトランスミッションなど、先進技術で時代をリード。
スタイリッシュなジープ コマンダーの兄貴
ジープ グランドチェロキーL(2021年式)どこにでも行けるというジープのスピリットはそのままに、快適性と上質な設えを追求したのが現行のジープ グランドチェロキー。
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