古くから小説でも映画でも、男が憧れる主人公の傍らにはウイスキーがつきものだった。思いを巡らすとき、仲間や女性との時間を楽しむとき、いつの時代もウイスキーは最高のパートナーとして選ばれてきたのだ。
そのなかでもジャックダニエルは、世界で最も飲まれているアメリカンウイスキーと言われている。何が人々を魅了するのか。その魅力を徹底解剖する。
バーボンとは違う、テネシーウイスキーへのこだわり
「ジャックダニエル オールド No.7」700ml 2550円(参考小売価格・消費税別)/ジャックダニエル www.jackdaniels.com/ja-jp
ジャックダニエル蒸溜所は1866年にアメリカ初の政府認定蒸溜所として認定された、つまりアメリカ最古の登録蒸溜所だ。
蒸溜所のあるテネシー州で生産されるウィスキーは「テネシー・ウイスキー」に分類されるのだが、これは一般的なバーボンとはちょっと違う。
原材料やアルコール度数、熟成方法などはバーボンの規定をすべて満たしたうえで、テネシー産かつ「チャコール・メローイング製法」を施したウイスキーでなければ「テネシー・ウイスキー」を名乗ることができない。
このチャコール・メローイング製法とは、サトウカエデの柵に蒸溜したての原酒を吹きかけて燃やして炭にし、この炭を敷き詰めて、ここに原酒をポタポタと1滴ずつ垂らして、濾過するというもの。少しずつ垂らすのだから、もちろん時間がかかる。
ジャックダニエルの場合は、この工程だけで約6日もかかるという。
手間も時間もかかるが、この製法のおかげでジャックダニエルの雑味がなく、まろやかな飲み口が生まれるというわけだ。
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