先日、フォルクスワーゲンの新しいBEV(バッテリーに蓄えた電気だけで走る、純粋な電気自動車)である「ID.4」が発表された。
フォルクスワーゲンは、ID.4を“ワールドカー”と位置づけており、カーボンニュートラルを掲げる「Way to ZERO」の第一歩となる。
BEVの世界戦略車としてのID.4
「プロ ローンチエディション」636万5000円/フォルクスワーゲン ジャパン www.volkswagen.co.jp
「Way to ZERO」を取り上げる前に、まずID.4を紹介したい。
このモデルのポイントは、まずBEV専用設計となっていることだ。エンジンやエンジンの動力を伝えるドライブシャフトが存在しないことを前提に設計されているので、パッと見より室内や荷室が広くなっている。また、バッテリーを車体構造の一部として配置していることも、スペース効率の向上につながっている。
エンジンの代わりにモーターとバッテリーを搭載した“なんちゃってBEV”ではなく、モーターとバッテリーありきで考えられた、本物のBEVなのだ。
ID.4の基本骨格を伸ばしたり縮めたりすることで、今後はさまざまなサイズやスタイルのBEVが登場する予定だ。つまりID.4は、BEVを全世界に広めるきっかけとなる重要なモデルというわけ。
ID.4のローンチにあわせて、全国246店舗のフォルクスワーゲンのディーラーのうち、158店舗に急速充電器を順次設置。また、アウディとポルシェの急速充電器の相互利用サービス「プレミアムチャージングアライアンス」にフォルクスワーゲンも加わり、独自の充電ネットワークを構築する。
ただし、ここで問題となるのが、いくらBEVが増えても、化石燃料を燃やして発電した電気で走るのなら、CO2は減らないということだ。ここで、フォルクスワーゲンの「Way to ZERO」という取り組みが意味を持ってくる。
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