▶︎すべての画像を見る 健康な体と体型をキープしながら、「1日7食」の爆食ライフを謳歌する寺田昌之さん。
いくら食べても太らないのは、自身で導き出した体型維持のメソッドのおかげだという。今回は寺田さんが実践する、7つのメソッドを深掘りしてみよう。
話を聞いたのはこの人
寺田昌之さん●47歳、福岡県出身。実業家、美食家、ボディメイクトレーナー。男性エスティシャンの先駆けとして、国内外のさまざまな著名人にボディメイクを指南。その一方で、年間2500軒もの飲食店を食べ歩く美食家としても知られ、自身の体を実験台に痩身研究を重ねながら、爆食しても太らないメソッドを探求している。
寺田さん流、体型維持メソッドはコチラ
① 腸活:痩せ菌を増やす。ストレッチで腸の働きを活性化させる。
② 抑活:食べたものを吸収しにくくする食物繊維、もしくは同様のサプリメントを摂る。寝る前は食べないよう欲望を抑える。
③ 温活:運動して体温を上げて代謝を良くする。お風呂で体を温める。サウナに入るなど。
④ 筋活:筋トレなどの運動で交感神経を優位にさせ、体の省エネモードを代謝モード切り替える。運動するタイミングも大事(筋トレ・運動前にサウナ・風呂で体温を上げ、代謝効率を上げる)
⑤ 流活:正しい姿勢やマッサージなどで、血液(栄養)の流れをスムーズにする。睡眠中はできる限り内臓を空っぽにさせ、内臓を休ませる。
⑥ 神活:交感神経優位な時間に食べ、副交感神経優位の時間に吸収させる、というように自律神経を支配する。
⑦ 総活:上記6つの活動をすべて把握した上で、適宜組み合わせる。
――1日7食の合間に、これらのメソッドを実践しなければならないって、大変じゃないですか? その通りです。ただ、何もしないと食べたものがただ吸収されて太る一方です。
寺田さんは188cm、68〜70kgのスリムな体型をキープし続けている。
――忙しい日はどうするんですか? 仕事が立て込んで7つのメソッドのうち2つしかできない日もあります。ただどんなときでも筋トレ(筋活)だけは必ずやりますね。ジムに行けなかったとしても、自重でプッシュアップやスクワットはできますからね。
――筋トレ(筋活)で意識するポイントは? 空腹時は体が省エネモードになっているので、自然とカロリーを消費させないようになります。だから運動はできるだけ食べたあと行うようにします。
トレーニングのポイントを挙げるとしたら「尻(大臀筋)」や「肩の後ろ(広背筋)」といった、大きい筋肉を動かすようにしています。代謝も上がるし、体も温まりますからね。
――とりあえず筋トレさえすれば、大丈夫ですか? いいえ。筋トレをしていても寝る前に食べ物を摂取すれば間違いなく太ります。以前、筋トレをしながら寝る前に食べるという実験をしたのですが、見事に太りました(笑)。
食べたあとは「4時間寝ない」が鉄則
――実際に試したんですね。 太る仕組みがあるんですよ。寝る前に食べると肝臓が油分を分解できなくなることで、腹が出るというよりは内臓から太ってくるんです。
特にアルコールを過剰に摂取した場合、肝臓分解効率は悪くなり負荷がかかります。
――よく「就寝2時間前に食べるのはNG」と言いますが、寺田さんの中でも目安はあるんですか? 僕の場合は時間というよりは、「消化した感じがあるまで」は寝ないようにしています。食べ物によっても消化のスピードが違いますが、3〜4時間は絶対寝ません。
――じゃあ、遅い時間に夕飯を食べるときはどうするんですか? 僕も遅い時間に夕食を食べる日はあります。そういうときは朝方まで寝ないようにしますね。
――え? 一睡も? はい、仕事をします。仕事をしているときって交感神経が優位に働いていて体が食べたものを吸収しづらい状態なんです。よく将棋指しが、対局後に痩せると言いますが、それは糖質を消費しながら手合い(試合)をしているからなんですよ。もちろん睡眠不足も良くないですが、私にとっては、ため込んだ脂肪の方が死活問題です。
太るのが嫌なら、寝る前は食べない! 食べるなら内臓が落ち着くまで寝ない! どちらを選ぶかですね。そんなに体は都合良くできていません。
――お腹が空いていると眠れないって人は多いですよね。 「食後に体温が上がって、下がるときに眠くなる」という体のメカニズムがあるので、お腹が空いていると眠りづらいんです。そういうときは、一度入浴やストレッチで血流を促して体温を上げましょう。そうして“体が冷めて眠たくなる”という状態を擬似的に作ればいいのです。
炭水化物を食べる前にはキャベツとわかめを摂取
――寺田さんが食事前に実践していることは? 食物繊維を摂って腸に“壁”をつくってあげるようにしています。僕の場合は食べる前、必ずキャベツとわかめの塩漬けをモリモリ食べるようにしています。
食べる前は食物繊維が必須。
――どちらも食物繊維が多く含まれていますもんね。 食べる前に水溶性の食物繊維を摂ることで腸活にもなるし、食べたものの吸収を抑えるという意味では抑活にもなリます。これは手頃な方法なので、どなたでも続けやすいと思います。
ちなみに昔、食物繊維を十分に摂ってから吉野家の牛丼を15杯食べて、その後運動せずにいたらどうなるかっていうのを実験したことがあるんですよ。結果、初日は6.8kg増でしたが、次の日になると3.1kg減、3日目には2.3kgも減り、ほぼ元の体重に戻りました。
――効果がはっきり出たわけですね。他にはどんなものが効果的ですか? 納豆も良いですね。いちばん良いのは納豆キムチだと思います。乳酸菌と納豆菌が合わさるとダイエットにはすごい効果的なので、食事の前に納豆キムチを食べるのもいいでしょう。ヨーグルトもいいですが、人によっては胃酸過多になる場合があるので難しいかもしれません。
あとは抑活という視点では、食べたものの吸収を抑えるサプリメントを取り入れるのもおすすめです。
飽和脂質にはレシチン、塩分にはカリウムなど、過剰摂取した栄養分には、体型維持に相性の良い分解・排出成分が存在します。
特に炭水化物を摂ったら運動は必須ですが、そこにも代謝酵素であるビタミンB群など、摂取した栄養分に合わせてサプリメントの工夫が必要です。
――寺田さんはどんなサプリを飲んでいるんですか? 僕はタイに東京ドーム1800個分のハーブ農園の運営権を持っていて、そこで現地でしか自生できない熱帯ハーブの原種を育てているんですよ。それを原料にして抑活のためのサプリメントを自作しています。
その熱帯ハーブには食物繊維の棘が無数にあり、動物が食べると腸内吸収しづらくなるんです。「それって、人間にとっては最高のダイエットサプリじゃん」と思い、自分で作ることにしたんです。
もちろんサプリはあくまでダイエット手段の一つ。これだけで痩せるわけではありません。
――7食も食べて、体調は大丈夫なんですか? 体のコンディションはすごく良いですよ。本当は20食ほど食べられるところを、普段は7食で抑えているくらいです。つい先日も旅行に行き3日半で50食も食べました。
――寺田さんの1日のルーティンを教えてください。 大体1日の初めに食物繊維とタンパク質を取って、昼間に5食。そのあとお風呂に入ってからトレーニングをし、仕事します。さらにもう1食食べ終わったら自宅に帰って熱めのお湯に浸かって体を温めます。ドロドロ血液にならないように水を飲み、またしっかりトレーニングして、お風呂に入って、最後の食事に行きます。夕食はコース料理が多いですね。
――たくさん食べるためには、体作りが重要ってことですね。 僕の体験談をお話すると「食べながら痩せたい」と相談してくる方はとても多いんです。たまに食べていないのに太るという人もいますが、絶対食べてますから(笑)。
運動しないで痩せたいのであれば、基本的に「食べない」しか選択肢はないと思います。美味しく食べて痩せるためには、まず自分の体の仕組みを理解することが大事。そのうえで7つのメソッドをできることから実践してみてください。
「○ヵ月で○kgのダイエットに成功した」という人、世の中に多いですよね。でもそういう人はリバウンドする可能性が高いです。リバウンドの可能性は死ぬまであるので、長い人生の中、瞬間的に痩せたことを成功だと断言してはいけません。
死ぬ前まで、ほどよいスタイルを保ち長生きできたとき、初めてダイエットに成功したと言って良いのではないでしょうか?
太りづらいメカニズムと自分の身体を理解した上で、その人生を継続できた人が真のダイエット成功者です。
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好きなものを欲望のままに食べる。そんな爆食ライフを満喫する寺田さんの生活も、食事以外は超ストイックだった。すべてのメソッドを実践するのは難しいが、太らない体を手にするために一つずつ取り入れるのはアリかもしれない。