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軽量化と環境保全のための、徹底的な自問自答



同社によれば1970年代のファミリーカーは車重が800kgで、全長は3.7m、全幅1.6m程度が一般的だったという。

それが現在では「1200kgを超え、全長4.3m以上、全幅1.8m以上。中には2500kgを超えるものも」と言う。

そんな大きなモノが1日の95%を駐車場で過ごし、80%がひとりでの移動で使用されている、としたうえで「それが地球環境保全に繋がるのか?」と訴える。

では具体的にどう軽量化するのか? その一例として、ボンネットやルーフ、リアのピックアップベッドに使用されたパネルがある。

リサイクル段ボールをグラスファイバー製の補強パネルで挟んだ構造で、防水性や耐久性を高めるためのコーティングが施されている。開発には化学メーカーの大手BASF社と手を組んだ。



また通常ドアの内側に備わるスピーカーやそれに付随する配線等を廃し、窓を手動の跳ね上げ式にすることでパワーウインドウのモーターまで廃している。

さらにインテリアについては「ボタンやダイヤル、スクリーンなど、本当に必要なものはいくつあるでしょうか?」と、徹底的にシンプルに。

結果「同クラスのコンパクトハッチバックがダッシュボードとセンターコンソールに約75個の部品を使うのに対し、オリはわずか34個の部品」にした。

けれど、ボタンやダイヤルがないから不便になる、では本末転倒。そこでシトロエンはユーザーの持っているスマートフォンを、車内の大事なデバイスとして利用することにした。

カーナビはスマホのナビアプリを使えばいいし、オーディオもスマホを活用。先述したように、ドアにはスピーカーがないけれど、インパネにBluetoothスピーカーを装着できるようにしている。



しかもこのスピーカー、リアのベッド(荷台)に用意されているフックにかければ、野外でも音楽を楽しむことができると一石二鳥。

また固定のUSBソケットがない代わりに、ライティングレールのように、任意の場所に専用USBソケットを取り付けられるようにしている。

しかも電気自動車だから、アウトドアで電気ポッドやヘアドライヤーといった家電も、このレールにコンセントを取り付ければ使えるようにするらしい。

ほかにも「1日の95%を駐車場で過ごす」んだから、家にいるときは太陽光発電用の蓄電池として使えるとか、いろいろ使い勝手はバツグン。

また一見フシギなこの見た目も、機能を突き詰めた結果のデザインだという。

さらにシトロエンはもう一歩踏み込んだ。

各パーツを新品に取り替えやすくすることで、中古車になっても維持しやすく、またオーナー次第でカスタムしやすくした。そんなロングライフサイクルこそ、サステナブルじゃないかっていう提案だ。

シトロエンAMI

シトロエン AMI


でもコンセプトカーって絵に描いた餅でしょ? と思うかもしれないが、何しろこれまでにも一見摩訶不思議な新しいコンセプトの車を作り続けてきたクセ者シトロエン。

最近じゃ、日本には導入されていないけれど、「AMI(アミ)」だって実際にヨーロッパでは走らせている。

だからこの新しいコンセプトのOLIも、期待に胸が膨らんでしまうのである

籠島康弘=文

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