「e-SKYACTIV PHEV」プレミアムモダン(4WD)モデル、626万4500円。
▶︎すべての画像を見る 9月に発売されたマツダの新世代ラージ商品群の第1弾「CX-60」。
パワートレインにはメーカー初のPHEVを用意するほか、排気量が大型化したにもかかわらず燃費効率が上昇した新開発のディーゼルエンジンにも注目が集まっている。
価格帯は200万円台のエントリーモデルから600万円台のハイエンドモデルまで揃え、幅広い層から支持される車になりそうだ。
新世代のエンジンに注目
排気量を落としてターボで効率を高めるのが主流のこの時世に3.3Lの直6ディーゼルを新規でこしらえたのは燃費低減のため。
それに組み合わせるミッションをトルコンレスのクラッチ式8速として自社設計・生産にしたのは省体積化で運転姿勢にこだわりたいため。そうまでしてFRベースの4WDとしたのは走りの質感を高めるため──。
世間のBEV熱が著しい時代に、サラピンの内燃機車に全力投球して大丈夫?と思うかもしれませんが、マツダとしては不退転の覚悟での総力戦です。
CX-60はメカニカルレイアウトや車格的にはメルセデスのGLCクラスやBMWのX3がいちばん近い車です。特に内装はそれらを上回る仕上がりかもしれません。
ハンドリングはマツダらしく、いたってナチュラル。正確な応答性が山道でもサイズを忘れさせてくれます。
課題は低速域での乗り心地で、ここは熟成を待ちたいところです。試乗したのは48Vマイルドハイブリッドでしたが、燃費は高速移動でコンスタントに20km/Lを狙えそうな気配。直6の上質感を持ってしてこの低燃費は驚異的です。
コスパはもとより環境性能値としても文句のつけようがありませんね。
| 自動車ライター 渡辺敏史 出版社で自動車/バイク雑誌の編集に携わったあと、独立。自動車誌での執筆量が非常に多いジャーナリストのひとり。車の評価基準は、市井の人の暮らしにとって、いいものかどうか。 |
2/2