OCEANS

SHARE

  1. トップ
  2. ライフ
  3. 海とサーフィンを愛するラジオDJ・nicoさんが「平日ビーチクリーン」を開催したワケ

2022.11.14

ライフ

海とサーフィンを愛するラジオDJ・nicoさんが「平日ビーチクリーン」を開催したワケ


▶︎すべての画像を見る

以前からビーチクリーンに関心があり、参加経験もあるというラジオDJのnicoさん。

しかし多くは週末に催され、近年土日は早朝からFMラジオ局J−WAVEでの生放送番組「MORNING VOYAGE」があるため参加できずにいた。

そこでなんと「ならば自分で催してしまおう」と思い、すでに3回も開催したのだという。その経緯を詳しく伺った。

開催への第一歩は、海のある自治体への電話

ビーチクリーン開催の決断を後押しした理由はいくつかある。

自分のように仕事や私用で週末は海に行きづらい人がいるだろうし、最近ワークスタイルに多様性が生まれたことで、平日参加が可能となった人も増えたに違いない。

そのようなnicoさん自身が少数派であることから得た気付きに加えて、開催する場所への思いもあった。

その海は高校時代から足を運んでいる千葉県の御宿海岸。透明度の高い海と白砂のビーチが広がる光景は東京近郊と思えない美しさがある。海で過ごす楽しさを最初に教えてくれた場所であることからも、きれいな姿を保つ手伝いが少しでもできればという思いと、御宿の海が持つポテンシャルを広く伝えたいという思いがあった。

とはいえ主催者としては初心者。何から始めていいのかわからない。まずは役場に電話をすることにした。

「ビーチクリーンについていろいろと調べて情報を集めたのですが、開催するためのステップはわかりませんでした。そこで御宿町に電話をして、“ビーチクリーンを行いたいのですが、どうすればよいですか?”と聞いたんです。

すると応対してくれた方は、行政からの許可等は不要だと教えてくれて。集めたゴミに関しても、実施した翌日に町のほうで回収しますということでした。

煩雑なことは何もないので、あとは行動するだけ。ならばやってみようと、今年の5月31日に初開催したんです」。

事前告知は先述した番組内と自身のSNSで。集合は朝10時。開催は正午までとして、その間にいつ来ても、いつ帰っても自由というゆるさのある設定にした。

「初回は20名近くも参加してくれました。自分がひとりだけで行うより、はるかに心強いし、実際に多くのゴミが拾えました。

そしてクリーンアップする意識を持って歩いた御宿のビーチは、遠目には美しく見えるけれども汚れていましたね。特に漂着した小さなプラスチック片が目について……。改めて僕みたいなアプローチをする人が増えるといいなと感じました。

週末に多くの人数を集めて行うビーチクリーンに加えて、少人数でも平日にビーチを清掃する人たちが増えれば、それだけ海はきれいになると思うんですよね」。

そんなnicoさんによるビーチクリーンはこれまで3回開催され、3回目に参加者は40名を超えた。

番組のリスナー、純粋にビーチクリーンをしたい人、サーファー、噂を耳にした地元の人など、回を重ねるに連れて顔触れに多様性が生まれ、なかには東京から電車で来て、“本数があまりないので40分だけ参加して次の電車で帰ります”という女性や、“御宿は思い出の場所なんだけれど久しく来るきっかけがなかった”という初老の男性がいた。御宿の海の美しさに声を失う若者の姿もあった。

ビーチクリーンは海と縁遠い人に、海と接する機会を生むのか!行動したことで考えもしなかったビーチクリーンの効果を目の当たりにし、nicoさんは今、とてもうれしく、楽しいのだという。


2/3

次の記事を読み込んでいます。