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体のだるさ、頻繫に脚がつるのも肝臓病のサイン



――たかが痒みと侮らないことが大切ですね。

痒みは肝機能低下を示す数値よりも先に表れることがあるため、本人が気付いて、きちんと対処することがとても重要なんです。

これまでに肝臓病という診断を受けたことがなくても、痒みをきっかけに肝臓専門医にかかれば、いち早く異変を見つけられるかもしれません。

――痒みが強いほど、肝臓の機能は低下しているということでしょうか?

肝臓病の末期といわれる肝硬変に進行したような方では、痒みはより強くなると言われています。痒みを含めた肝臓の三大症状とされるような“脚がつる”、“体がだるい”といったような症状がすでに起こっている場合は、早急な治療が必要です。

――では逆に肝臓の機能が良くなれば、痒みも収まってきますか?

残念ながら、そうとは言い切れません。肝臓の痒みは一度発現すると治りにくく、肝臓の治療と痒みの治療は分けて行う必要があるのが現状です。

脂肪肝の予防にブロッコリースプラウトがオススメ



――非アルコール性脂肪性肝疾患をはじめとした肝臓病予防のために、今日からでもはじめられることはありますか?


ストレッチを取り入れた、適度な運動習慣が大切です。また食事では、果糖とショ糖の摂りすぎは禁物です。これらは脂肪に変わりやすく、内臓脂肪として蓄積されます。果糖はバナナや柿、ショ糖はお菓子類に多く含まれているので、食べ過ぎには注意してください。

――逆に、食べた方がいいものもありますか?

緑の野菜、その中でもブロッコリーの新芽である、ブロッコリースプラウトがおすすめです。ブロッコリースプラウトには抗酸化作用をもつ「スルフォラファン」という成分がたっぷり含まれていて、医学的に脂肪肝の改善効果も認められています。

 ――食べるだけで脂肪肝が改善するとは、驚きです!

最近の研究では、痒みの軽減効果も認められています。そのほか、発がん予防をはじめとするさまざまな病気の予防と改善に効果がある可能性を秘めた食品として、とても注目されています。日頃の食事に、ぜひ取り入れてみてください。



空気が乾燥するこれからは、熱いお湯での長風呂を避け、入浴後は水分が蒸発する前に保湿剤を塗ると肌の乾燥対策になるらしい。肝臓による痒みと区別するためにも、肌を整えることも心得ておこう。

長瀬瑠美奈=取材・文

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