教訓② 獣に出くわす可能性大。番犬を飼うべし
イノシシにも果敢に向かっていく頼もしい松岡家の番犬Moti。(写真提供:松岡俊介)
例に漏れず、大自然の中に立つ松岡家の周りにも数々の生き物が生息する。
「うちはイノシシとか鹿が出ますね。イノシシに出くわすのがいちばん怖いかな。こっちに向かってくるので」。
つい最近も6歳の末娘がイノシシに追われるという恐怖体験が実際にあった。
「リードをつけずに散歩している最中、末っ子が追いかけていたら、3頭のイノシシに出くわしたんですよ。もちろん娘は僕に向かって走って逃げてくる。犬も一緒に逃げてくる。その後ろに、イノシシ3頭がこっちに向かって走ってくるわけですよ。
緊張が走りましたね、あの時は。僕は子供を守らなきゃいけないし、絶叫と発狂みたいな、人間のものとは思えない声と動きでイノシシを威嚇しましたね。こっちの一発でどうにかなる相手じゃないけど、一心不乱で向かっていったら逃げていきました」。
イノシシに遭遇した当時を振り返る松岡さん「人間とは思えない声と動きで威嚇した」。
かつては猟銃で獣を駆除する住人が地域にいた。だが、だんだんその数も減り、今はイノシシや鹿の数が増えているという。となると必要なのは番犬だ。
「犬は飼ったほうがいいかもしれないですね、番犬として。うちのは雑種犬なので強い。ハクビシンなんかにも挑んでいきますよ」。
教訓③ 自治会とうまく付き合うべし
約8世帯が暮らす松崎町の集落には自治会が存在する。貯水タンクを設置して湧き水を引いたり、道を作ったり、共同で草刈りをしたり、持ちつ持たれつの関係が欠かせない。
「うちみたいに山奥で生活する場合、自分たちだけで生きていくことはできないです。自治会との関わりは必要。
何もないところに道を引くのもそうだし、雑草を刈るのもみんなで一緒にやるし、給水タンクの掃除とかもね。協力しながらやることが多いんですよ」。
災害時に倒れた大木。自宅への道を塞いだ時はよっぽどの時以外は近隣の先輩住人が撤去してくれている。(写真提供:松岡俊介)
「僕は都会から移住した身なので、そういう意識が希薄でした。でも、野菜をもらうことも多いし、おじいちゃんを病院に送った代わりに薪をくれることもある。お世話になることが実際に多いんで、自治会や地域との関わりは大切ですね。僕はそれを妻に教わりました」。
この地域から移動する予定はないと話す松岡さんは、いずれは自分が自治会の長にならなくてはいけない時期が来るだろうと話す。
「自分が会長にならなきゃいけない時代が来るでしょうね。いろいろ問題はありますよ。意見が割れて自治会を抜ける家族もいるし、お金が絡むと不満も募りやすいし。
最近の移住者はそういうのが面倒だから地域と関わらないっていう話も聞きますが、僕もそうだったし、でもやっぱり地域や自治会とはうまくやった方がいいと思いますね」。
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