街中にゲームシャツを着る人を増やしたい
今回のプロジェクトを指揮する源馬さんは、かつて英国・ロンドンに暮らしたことがあり、本場のフットボールも堪能したという。
そして東京に暮らす今も、愛するアーセナルFCをはじめとしたプレミアリーグの放送を楽しみしている。
「ロンドンではフットボールが人生の一部であり、生き甲斐だという人たちを多く見てきました。愛するアーセナルのホームゲームは6万人収容のスタジアムがフルハウス。街中では試合を中継するパブに人が集い、平日でも週末の決戦に向けて熱く語るファンの姿がそこかしこに見られます。フットボールが文化であり、生活なんだと思いますね。
そのような光景を知っているので、今回の話をいただいたときには、まず鹿島の街を赤く染めたいと思いました。
そして制作するアイテムを通して、チーム関係者やファンの人たち、そして地域に、アントラーズがもっと広く深く染み込んでいくきっかけを作りたいと思ったんです」。
人口6万7000人ほどの町に存在する約4万人収容のサッカー専用スタジアム。ホームゲームでは来場するファンによって場内が真っ赤に染まる。いかに地域にサッカーが根付いているのかがわかる。
そのためにもチームが強くなることは大切。チームの強化には資金が大切。そのサイクルの循環にFLIP SIDEを貢献させたいと、源馬さんは言う。
「やはりサッカーって、チームを強化するための資金がとても大事なんです。その原資のひとつがマーチャンダイズです。
この考えに関して、アントラーズの皆さんとはすぐに共鳴しました。プロサッカークラブとしての意識の高さは、8回のリーグ制覇を含め、国内最多タイトル獲得数を誇るチームだからこそだと思うし、関係者は誰もがチームに誇りと愛情を持ち、日々を戦い抜いています。
熱いですね、会社が。いい仕事ができると感じました」。
源馬さんの役割はプロジェクト全体のディレクション。デザイン面においてはオーセンティックであることを意識し、既存のファン、潜在的なファンたちのクローゼットに1枚はあるような存在になっていく物を目指した。
今回のコレクションは、ロンTを中心に、Tシャツやスウェットも展開した。
「普段の街中で、アントラーズの赤いユニフォームを着ている人は、まず見かけないですよね。
でも街の中にチームのエンブレムのついたゲームシャツを着る人が増えてほしいというのが本音です。エンブレムには誇りが備わっていますし、着る人にはその誇りと共に生きてもらいたいですから。
そうした光景への第一歩。それがFLIP SIDEの立ち位置です」。
クラブとファンの情熱を感じる「共闘」の文字。誇りを胸に、日本のサッカーに、スポーツに、新たな歴史を刻んでいく。
第一弾としてリリースされた今回のコレクションは、10月1日のクラブ創設記念日に合わせて今年作られたもので、残念ながら購入の受付はすでに終了している。
ただ規定枚数に至っていないアイテムは、今後オフィシャルショップなどで販売の可能性もあるというから、そのチャンスが来たら逃さず“シュート”で終わりたい。
しかしFLIP SIDEの取り組みは今後も継続していく。近く新しいニュースも発表されるというから、鹿島アントラーズによる、日本のスポーツ文化に一石を投じる次の挑戦を楽しみにしよう。
[問い合わせ]鹿島アントラーズwww.antlers.co.jp「F.D.」オフィシャルオンラインストアhttps://antlers.shop/collections/f-d