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2022.10.30

ライフ

カルト視された“西野サロン”の中で起きていること。震災で見せた本当の“強み”とは


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オンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」の会員数は国内最大規模の約7万人。会費月額980円で、単純計算すればその収益は莫大だ。

サロン内部の話は秘密厳守という性質も手伝い、外からは“宗教”や“カルト”といった冷やかしの目で見られることもある。



最後となる第三弾では、西野さんがオンラインサロンにかける想いに迫る。

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オンラインサロンを主宰し続ける理由

サロンの収益はエンタメを盛り上げるプロジェクト費用にまわし、自分の懐には入れない。そしてプロジェクトを成し遂げるための仕事は、サロンメンバーに発注することで賄うというのが大枠の仕組みだ。

ニューヨークやエッフェル塔で行った個展や、最近では5000万円で購入した飛行機とそれを設置した「飛行機ホテル」の建設がそうしたプロジェクトにあたる。

「メンバーと一緒にエンタメを盛り上げる」をテーマにしたサロンは今年で6年目だが、過去に一度、サロンをやめようと思ったこともあったという。

「昔、オンラインサロンをやめようかなと思ったことが一度あったんです。オンラインサロンがどういうものかは分かったし、次のことを始めようかなって。

でも、当時いた吉本のマネージャーに止められたんですよ。『人を助けられなくなりますよ』って。誰かが震災にあったときとか、国か自治体以外の助けがないっていうことなんですが。

吉本のマネージャーも意外と優秀でしたね。サロンの売上を死守しようとしただけかもしれませんけど(笑)」。

オンラインサロンの継続を決めた西野さんはさっそく、助け合いのシステムづくりに着手した。

熊本県の豪雨被害で「県民会」が役に立った



「国も自治体も頑張ってくれてますけど、“互助”っていう、お互いに助け合うシステムは国には作れない。同じ理念に集まったもの同士にしかできないと思って、まず『県民会』というのをサロンメンバーで作ったんです。会員が何万人もいると、各都道府県にメンバーがいるので。

たとえば、鳥取県で被害が起きたとき、足りない物資は何か、瓦礫の撤去に必要なのは何人かを県民会で共有する。簡単に言うと『じゃ僕、行きます』って近くにいる人がすぐに助けに行けるシステムです」。

そして2020年、コロナ禍で豪雨に見舞われた熊本県でこのシステムが役に立ったという。

「まず、熊本県の豪雨被害の一報が流れた瞬間にクラウドファンディングを立ち上げました。サロンメンバーが500円ずつくらい寄付して、そのお金を熊本の救援に充てたんです。

ボランティアスタッフの宿代とか、家に流れ込んだ泥を飛ばす高圧洗浄機を購入して、熊本の県民会に使ってもらいましたね」。


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