長く乗れなくても、自分の気持ちには正直に
今や家族の一員となったチェル氏だが、製造からすでに23年もの月日が経っている。いくら状態が良いとはいえ、いつまで現役で走れるかはわからない。
当然、それは西山さんも自覚している。
「買うときから『長く乗れる車ではない』と覚悟は決めていました。いつ壊れたり、手放すことになったりしても、人生で初めての車は『乗りたい』という気持ちを優先すると決めていたから」。
だからこそ、二度と来ない今を“チェル氏”と一緒に走りたい。
「家族みんなでドライブコースを考えたり、チェル氏とのYouTube撮影なども企画中です。この秋はキャンプにも連れていく予定なんですよ。最近はサーフィンデビューもしたので、来年はチェル氏と海にも行きたいと思っています」。
あと何年付き合えるかなど問題ではない。大事なのは、限られた時間をどう過ごすかだ。
「娘たちが大人になったときに、初めて乗った車のことをお出掛けの思い出と一緒に覚えていてほしいんですよ。
クセのない車だったら記憶に残らないかもしれないけど、チェル氏はきっと、彼女たちの車の思い出の1ぺージ目に刻まれたはず。母親として、それはすごくうれしいことですね」。
日々紡がれる家族時間。どこへ出掛けるときも、その傍らには世界で一台のチェロキーが寄り添う。
いつか別れの日が来ても、鮮やかな青い思い出は決して色褪せることはない。
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