OCEANS

SHARE

ひとりで抱え込み思い込むことがいちばん危ない



西村 そのとおりです。公認メンターは同じ経験を持つ人だから、気持ちをわかってもらいやすい。それに実生活で関わりがない人だから、気兼ねなく本音を話せます。

編集部 メンタルヘルスの問題を他人に話すハードルが下がります。

石井 それぞれの経歴やバックグラウンドもさまざまなので、仕事の復帰や今後のキャリアなど、精神科医やカウンセラーには相談しづらいことも話すことができるはず。実際、私は会社を経営していたので、経営者の相談によく回答しています。悩みを投稿すれば、複数のメンターが回答できますから、いろいろな体験談や意見を聞くことができます。

小林 また、投稿された悩みはサービスに登録したユーザーであれば、誰でも見ることが可能です。共感を示す「わかるボタン」を通じて、相談者はひとりではないという安心感を得ることができます。

編集部 心強そうですね。しかも、無料で投稿できるなんて!でも、個別の相談を望む人もいるのでは?

西村 そんな方のために公認メンターによる個別相談も用意しました。こちらは有料ですが、他人の目を気にすることなく相談できます。

小林 人と話して得る“気付き”で、気持ちが楽になることは少なくありません。メンタルダウンしているときに人と話していると、自分が考え方に“ロック”を掛けていることに気付くことがあります。そのロックを外すと、ウソみたいに気持ちが軽くなることがあります。

石井 話すのもいいですが、書くのもいいですよ。僕はメンタルダウン中、紙に感情を書き出すジャーナリングという作業をよくやっていました。ごちゃごちゃしていた気持ちが整理され、ずいぶん楽になれました。

小林 毎日歯を食いしばって働いている人に、あえて言いたい。「限界を感じたら、逃げても大丈夫なんだよ」と。私も退職して、今は別の仕事をしていますが、ココロもカラダも軽くて、毎日充実しています。戦略的な撤退は決して敗北ではない。何度でも復活してやり直せばいいんです。

石井 同感です。会社を辞めても、意外となんとかなるもの。社会復帰できたあと、僕はこう思うようになりました。自分の感情を優先することで気持ちが楽になる。最低限の責任感は持ったうえで、これからは自分自身の感情を優先しようと。今は背負っていた重い荷物を下ろしたように気持ちが軽いです。

西村 気持ちが落ち込んでいるときにいちばんやってはいけないのは、問題を自分ひとりで抱え込み、勝手に「〇〇に違いない」というふうに思い込むこと。私自身、そのせいで3度もメンタルダウンを経験しました。でも、その失敗があったからこそ、だんだん自分という乗り物をうまく乗りこなせるようになれたんです。同じような辛い経験をする人がひとりでも少なくなるよう、レジリエンスとコーピングを正しく啓蒙していきたいですね。


ひとりで抱え込まないために……
ピアサポートに特化したココロのオンライン相談アプリ

初回利用500円[15分]、通常利用1980円。https://lp.mentally.app/

初回利用500円[15分]、通常利用1980円。https://lp.mentally.app


精神科医・日本医師会認定産業医の監修のもと開発されたココロのオンライン相談アプリは、「思っていることを素直に表現できる」「ひとりではない安心感を得られる」「継続的な対話を通じて不安を解消できる」という3つのUXコンセプトに基づいて設計されている。

登録すると約70人の公認メンター全員に悩みを相談できる(無料)。登録者はほかの相談者の悩みを見ることができ、「わかるボタン」を通じて共感を示すことも可能だ。

また、公認メンターが1対1で悩みを聞いてくれる個別相談も。


芹澤信次=写真 押条良太=文

SHARE

次の記事を読み込んでいます。