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2022.07.18

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「なんかイライラする」は睡眠老化のサインかも。睡眠研究の専門医師がメカニズムを解説


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起床時すでに疲れている、日中集中力が続かない、イライラする。思い当たるものはないだろうか?

「実はこれは睡眠力低下のサインです」と語るのは、早稲田大学睡眠研究所所長の西多昌規准教授だ。ではどうしたら、睡眠力を上げることができるのかを教えてもらった。
話を聞いたのはこの人!

西多昌規●早稲田大学睡眠研究所所長。早稲田大学スポーツ科学学術院・准教授。自治医科大学講師、ハーバード大学、スタンフォード大学の客員研究員などを経て、現職。専門は睡眠、身体運動とメンタルヘルス。著書に、『リモート疲れとストレスを癒す「休む技術」』(大和書房)、『自分の「異常性」に気づかない人たち』(草思社)など多数。

西多昌規●早稲田大学睡眠研究所所長。早稲田大学スポーツ科学学術院准教授。自治医科大学講師、ハーバード大学、スタンフォード大学の客員研究員などを経て、現職。専門は睡眠や、身体運動とメンタルヘルス。著書に、『リモート疲れとストレスを癒す「休む技術」』(大和書房)、『自分の「異常性」に気づかない人たち』(草思社)など多数。 


睡眠力と脳の深い関係



――オーシャンズ世代でも「寝付きが悪い、途中で目が覚めてしまう」という悩みが多いようです。

それはズバリ、「睡眠の老化」ですね。

――睡眠も老化するんですか?

はい。例えば赤ちゃんは1日の大半を寝ていますよね。それが、成長するにしたがってだんだん短くなっていく。

健康で若いうちは、疲れていれば眠れるので、さほど睡眠に悩みはありません。悩みが出始めるのは30代後半からです。まさにオーシャンズ世代ですね。

その世代では、体は疲れているのに目が冴えて眠れない、という悩みが増えてきます。

――年齢を重ねるにつれ、睡眠が老化している証ですね……。

そうですね。睡眠老化が起きる原因のひとつは脳も歳を取るからなんです。

睡眠は脳の成長とリンクしているため、成長途中ほど睡眠が必要になります。つまり、成長を遂げた大人の脳は、極論を言えば、睡眠の必要性が薄れてくるという言い方がわかりやすいでしょうか。

また、若い頃よりどうしても活動量が低下してしまうので、睡眠力が落ちてくることが考えられます。活動量の多い肉体労働の人やアスリートなどは、同年齢の中でも、睡眠悩みが少ない傾向がありますので。



――なるほど。最近、リモートワークで動かないことも多く、活動量はより減っているかもしれません。

コロナ禍で体を動かす機会が減って眠りの質が悪くなったという人は増えていますね。

日中の状態で睡眠力の自己診断を

――脳が成熟し、活動量も減った大人に「睡眠老化=睡眠力の低下」が起きてしまうことはわかりました。では、自分が睡眠老化しているかどうやって判断したら良いですか?

寝つきが悪かったり、夜中に何度も目が覚める人は、確かに睡眠の質は悪いでしょう。ただ、最近は日中の状況が不眠の判断基準になっています。



仕事に集中できない、ミスが増える、イライラするなど、情緒が不安定でパフォーマンスが落ちている。こういう自覚症状がある場合は、睡眠老化の可能性があります。逆に睡眠時間が短くても、日中にこのような症状がなければ問題ありません。

――7時間睡眠が良い、などとよく言われますが、短くても大丈夫ということですか?

確かに7〜8時間睡眠の人が、長生きでパフォーマンスが高い傾向にあることは事実です。

ただ睡眠には個人差がありますので、7時間以下でも大丈夫な人もいますし、逆に7時間以上しっかり寝ないと日中に影響が出る人もいます。


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