絶滅危惧種な水平対向エンジン×MT
フォレスター(旧型)。中古車価格は約60万円〜320万円
かつてWRC(世界ラリー選手権)を席巻したように、荒れ地を誰よりも速く走るイメージのあるスバル。
だからフォレスターにもMT車がよく似合うのだが、現行型には、実はMT車がない。これは同社のもうひとつのセールス的な柱に成長した「アイサイト」技術と、その先にある自動運転時代への流れの中で、MTは車が制御しにくいから外れたとも言われている。
そんな中で今あえて旧型に設定されていたMT車を買うのは、懐古主義と思われるかもしれない。
しかし世界的に貴重な水平対向エンジンを搭載した4WD車を、MTで駆るという楽しさがこの先にないのだとすれば、今だけの貴重な買い物になるのではないだろうか。
副変速機という“面倒”を楽しむ
ジムニー(旧型)。中古車価格は約50万円〜230万円
言わずと知れたコンパクト四駆の王者、スズキ・ジムニー。3代目となる現行型でもMT車が用意されているが、人気ゆえ価格もまだまだ下がっていない。
そこで狙い目なのが旧型だ。「ラダーフレーム」「FRレイアウト」「副変速機を備えたパートタイム式4WD」は現行型にも続く伝統。つまり旧型も現行型同様の魅力が詰まっているということだ。
特に2WD/4H(高速)/4L(低速)を切り替える副変速機は、いちいち走行状況に応じて切り替えなければならないという、今どきのSUVにはない面倒な楽しさがあるのだ。
SUVのトップ・オブ・硬派
三菱ジープ(絶版)。中古車価格は約60万円〜370万円
戦争で活躍したジープは戦後の復興にも欠かせなかった。
アメリカのウイリス社と契約した三菱自動車(当時は中日本重工業)は1952年からノックダウン(部品を輸入して組み立てる)生産を開始。やがて三菱自動車は自前でエンジンをはじめパーツも作るようになった。
1998年まで約45年間生産され、エンジンはガソリン・ディーゼルどちらも複数あり、ボディもショートやロング、屋根は幌やメタルなど多彩なバリエーションがある。
そしてトランスミッションは潔くMTのみで、副変速機付きのパートタイム式4WD。今も中古車市場で大人気のトップ・オブ・硬派なマニュアルSUVと言えるだろう。