▶︎すべての画像を見る 「偏愛さんいらっしゃい」とは…… “エア マックス狩り”と呼ばれる社会現象を起こした「エア マックス 95」を筆頭に、数々の名モデルを生み出してきたエア マックス。
ナイキ公認のエア マックスコレクター・G-KENさんが、「僕の中でのナンバーワン」と愛してやまないモデルが「
エア マックス BW」である。
今回は、BWが持つ魔力を、お気に入りの3足とともに熱弁してもらった。
話を聞いたのは……
ファッションデザイナー・G-KENさん G-KEN●某ストリートブランドのショップスタッフとしてキャリアをスタートさせ、その後は人気スニーカーショップ、アトモスのプレスとして獅子奮迅の活躍。昨年独立し、スニーカーの魅力を伝えると共に自身のブランド「トゥエルブパーセント」を展開する。業界内ではエア マックス好きとしても知られ、日本国内で3人しかいないMASTER OF AIRの称号を持つ。
【1足目】エア マックス BW ペルシアン バイオレット
エア マックス BWは、1991年に発売されたモデル。BWとは“Big Window”の略語で、ミッドソールにあるエアの窓口が拡大されたことに由来する。
G-KENさんが最初に取り上げたのは、OGカラー(発売当初のオリジナルカラー)のペルシアン バイオレットを纏った一足だ。
「まさに“THE BW”な一足です。手にしたのはたしか2013年。実は、僕が初めて購入したエア マックスなんですよ。これを買わなければ今の自分はいない、というぐらい自分自身で付加価値をつけまくっているシロモノです(笑)」。
このモデルに出合ったのは、前職の経験によるものが大きいと話す。
「10年ぐらい前に渋谷と原宿にあるドメスティックブランドのお店で働いていたんですね。オンリーショップだったので、店頭に立っている間はそこのブランドの服しか着れない。キャップからソックスまで揃っていたブランドだったので、個性を出すのがすごく難しかったんですよ。
しかも、僕は身長が160cmぐらいしかないので、スタイルのいいスタッフと比べてディスアドバンテージがありました」。
そこで考えた対抗策が、足元で個性を出すことである。
「僕は当時、自分に似合うシューズすら分かっていなかった。そこで、ナイキ原宿で働いていた先輩に会いに行ったんですよ。もちろん、エア ジョーダンやエア フォース 1は知ってはいました。でも、当時から絶大な人気を誇っていましたから、それを選んでも周りと差別化はできません。
だったら……と、小学校から大学まで陸上部に所属していたこともあり、ナイキのランシューであるエア マックスについて先輩に聞いてみたんです」。
当時はエア マックスも、エア マックス 1やエア マックス 95のイエローグラデーションなどさまざまなモデルが復刻していた頃。
もちろん、足を運んだときには人気モデルは完売状態だったという。そこでオススメされたのがこのカラーである。
「最初はパープルかよ! と思いました(笑)。なにせ、どう合わせていいかまったく分かりませんでしたからね。ただ、それ以上に履き心地に惚れました。他社さんでも履き心地抜群のモデルは出ていましたけど、僕にはこれがすごく馴染みましたね。そこからハマっていきました」。
「不思議なもので、履くうちになんだか格好良く見えてくる。今思えば、黒とパープルと白の割合が絶妙だなと。実は、昨年このカラーが日本で復刻したんですけど、あまり人気が出なかったみたいで。マニアとしては買いやすいのでうれしいんですけど、もっと再評価されてもおかしくないモデルだと思います」。
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