サンタバーバラ北部のソルバングというデニッシュ街のベーカリーへ。朝イチのセッションの前にまずは腹ごしらえ。
▶︎すべての画像を見る 元プロサーファーで、現在は映画監督やメディアクリエイターとしてカリフォルニア州マリブに住む枡田琢治さんが、息子の雷治さんと行ったロードトリップ。
前編に続き、ここでは最初のブレイクポイントであるサンルイ・オビスポのスケートパークからスタートだ。
in サンルイ・オビスポ 〜 サンタクルーズ
金曜日の午後、マリブを出発して、最初のブレイクポイントはサンタバーバラの先、サンルイ・オビスポにあるスケートパーク。ビーチに近く、波のオブジェなどがあり撮影にもフォトジェニック。スケートパークもサーフポイント同様、土地ごとによってしきたりがあるそうだ。
ここはパブリックなパークということで、雷治はパッドとヘルメットを着用し、RIPのレンズ目がけて攻める。夕暮れ間際の熱いフォトセッションとなった。
サンルイ・オビスポで夕食前のセッション。波を模したパークの造形は見事。
実は今回のロードトリップ、琢治にも密かな狙いがあった。サンフランシスコのフォート・ポイントというゴールデン・ゲート・ブリッジの下でピークするレフトの波を初体験すること。
サンフランシスコはロサンゼルスなどと比べれば、ビーチシティというイメージは薄いものの、極上の波が多く、フラワームーブメントを牽引したディープなカルチャーも根付く。
そんな想いを寄せ、サンタクルーズまで車を走らせ、カラダを休めることにした。
シェイパーのストレッチのファクトリーを訪ねてボードをオーダー。サーフィンをする時間も大切だが、シェイパーと話す時間も重要だと我が子に教える。
「翌朝、波をチェックするまで気付いていなかったのだけれど、サンタクルーズは僕が12歳のときにアメリカで初めてサーフィンをした場所だったんです。
スティーマー・レインという世界大会が行われる有名なポイントのインサイドで、潮が引いているときはワイキキのような波に乗れるところ。なんだかホームカミングな気分になりましたね。
午前中、普通はサーフィンしたい時間ですが、あえてシェイパーのストレッチを訪ねることにしました。サーフボードの製作はマシン全盛とはいえ、シェイパーのノウハウは大切です。
データをコンピューターに打ち込むにしたって、どういうふうにデザインして、どう物事を考えているのかを知ることは必要ですから。
サーフィンはカスタムカルチャーが大事なので、息子にも吸収してもらいたいと思っています。1時間くらい話し、2本の板をオーダーできたかな」。
干潮時まで時間があったので世界最大級のモンスターウェーブが立つマーヴェリックスに立ち寄り、崖の上から望む。今にもパドルアウトしそうな勢いの雷治だったが今回はおとなしくしスペクテーターに徹した。またの機会に。
フォート・ポイントの波は干潮の前後1時間が流れも穏やかで、コンディションが整うとストレッチが教えてくれた。わずかに時間の余裕ができたふたりは、世界でも最大級のモンスターウェーブが立つ、マーヴェリックスというポイントをチェックすることにした。
崖から眺めた初めての波は、スケールが大きくミッション・インポッシブルな様相だったが、雷治は今にもパドルアウトしそうな勢いだったという。
今回はしっかり目に焼き付けて、いずれ年を重ねたら戻ってくればいい。
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