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時代の分水嶺に立ちはだかった趙の難敵

編集部 やはり好敵手が魅力的であればあるほど、主人公サイドの武将たちもより輝きますね。

平山 敵国の将でいえば、すごくカッコいいオヤジがいますね。

編集部 誰でしょう?

平山 廉頗(れんぱ)です。



編集部 豪快でありながら知略に長け、そのうえ“イケオジ”ですよね(笑)。

平山 登場する武将の中でも変わり種で、生涯現役にこだわっているところがまたいい。国を転々と渡り歩いている武将ですからね。

編集部 趙→魏→楚と渡り歩いています。たしかに追放は追放ですが、誰も逆らえない趙の愚王を諌めたり、敗戦の責任をとって自ら退いたりと、自分なりの信念と筋は通しています。



平山 この人が放つダンディズムじゃないですけど、武将としてのあり方はすごくカッコいいし、男臭い。それでいて、遊び心もありますよね。

編集部 たしかに、彼の言動や行動はいちいち粋です。

平山 廉頗が蒙驁と戦うじゃないですか。老将同士のプライドがいい意味で垣間見えて楽しいんですけど、同時に世代交代の波が迫っている寂しさも感じる。なんかこう、心に残る人なんですよね。

編集部 武将としても、さすが趙の三大天と思わせる豪腕ぶりを随所に見せてくれました。



平山 たしかに。山陽での戦いでは負けを認める潔さも素晴らしかった。結果、魏兵を無駄に死なすこともなかったわけですから。自身の面目もあるはずなのに。

編集部 あのタイミングで判断できるのは、やっぱり稀有な大将軍だと思います。

平山 自分で言ってますもんね。時代の流れなど糞食らえ、だと。そして、強者は最後まで強者。老いようが病に伏せようが戦場に出たならば勝つのが鉄則。すごいですよね。王毅と盃を交わすシーンも絵になる。まさに、レジェンドですね。



編集部 凄さとともに儚さも感じさせる武将です。

平山 時代の流れなど知ったことかというスタンス。こうありたいなと思いますよね。オーシャンズをはじめ、モデルの仕事を通じて常に時代の流れを感じてはいますけど、本質の大切さは忘れてはいけないと思いますね。



編集部 現代にもオーバーラップできるカッコよさがあると。

平山 大人になると、時として自分の信念を都合よく曲げちゃうこともあります。でも、苦しいときにこそ踏ん張らなきゃいけないというのを示してくれている気がしますね。

編集部 我々も頑張ろっと。


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