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発足1年目は、奈良県の吉野で看板銘柄の「花巴」を造る美吉野醸造の若き杜氏、橋本晃明さんにインタビューをした。

 「『花巴』は使用する酸によって、いちご、桃、ぶどうといった具合に味わいが変わる日本酒なんです。『目指すのは、「おいしかったね」と思い出してもらえる”心に残るお酒”』という言葉が印象的でした」。

杜氏は酒蔵の最高製造責任者。

杜氏は酒蔵の最高製造責任者。


東京・高円寺の人気銭湯「小杉湯」の軒先マルシェにも参加した。

皆さん、楽しそう。

皆さん、楽しそう。


りんさんは私生活でもペースを乱さず、飲み続ける。すると、こんなことが起きた。

「飲みつながりでSONYの方に出会って、『そんなに日本酒が好きなら、うちでなんかイベントやりなよ』と言われたんです。

半信半疑ながら『喜んで』と答えたら、2019年の9月に140人を前に『日本酒とはなんぞや』というテーマで話すという講演会が実現。私も登壇しました」。

外部の客も呼んだが、7割がソニーの社員。

外部の客も呼んだが、7割がSONYの社員。


さらに、「旅する京の酒屋さん」というキャッチフレーズを掲げる中畝酒店の代表、中畝康博さんを招いて試飲会も開いた。場所は未来のライフスタイルを切り開く世代のためのホテル、「ザ・ミレニアルズ渋谷」。

中畝さんは「海底に日本酒を眠らせて熟成させる」というユニークな試みを行っている人物で、もちろんその日本酒も試飲できた。

そこに日本酒愛があれば、酒蔵にも酒屋にもアプローチする。

そこに日本酒愛があれば、酒蔵にも酒屋にもアプローチする。


なお、当初はTwitterが情報の発信場所だったが、コロナ禍も重なり、人との繋がりの強化をするため「CAMPFIRE」のプラットフォームから、2020年にコミュニティを開設。

こうして、「酒小町」はさらに加速する。

今年3月には都内のレンタルスペースで「持ち寄り会」を開催。

今年3月には都内のレンタルスペースで「持ち寄り会」を開催。


「5月には『酒小町』に所属している日本酒学講師の方による勉強会も実施。

日本酒の造りや歴史、法規など網羅した内容で、この講座を受けるとプラス2500円で日本酒ナビゲーターの資格を取ることもできます」。

通常は7000円かかるが、「酒小町」のメンバーだと半額の3500円で受講が可能。

通常は7000円かかるが、「酒小町」のメンバーだと半額の3500円で受講が可能。


しかし、酒蔵へのアプローチには苦労したという。

「そもそもSNSに興味がない蔵が多いんです。あとは、費用がないと言われたり。最初の2年間ぐらいは、ほぼボランティア。

無償でお酒をいただいて、都内でイベントを開催する感じでした。いまは先方からお声がけいただくケースが増えました」。

鳥取の酒造組合とのミーティング。

鳥取の酒造組合とのミーティング。


地方の酒蔵まで足を伸ばすというよりは、タイミングを相談しながら都内でのイベントにつなげるというのが「酒小町」の基本スタンスだ。

銘酒「久保田」で知られる新潟の酒蔵、朝日酒造との交流イベント。

銘酒「久保田」で知られる新潟の酒蔵、朝日酒造との交流イベント。


そんな日本酒を愛し、日本酒に愛されるりんさんを推薦してくれたのは、「酒小町」のコミュニティ発足当時から見守ってきたCAMPFIREの新谷律子さん。

ご本人は「お酒はあまり強くないんです」と言うがーー。

CAMPFIREの看板娘、いかがでしょう。

CAMPFIREの看板娘、いかがでしょう。


「いろんなコミュニティを見てきましたが、重要なのは代表の方が本気で楽しんでいるかどうか。その点、りんさんはメンバーの中でもいちばん楽しそう。

日本酒に例えると醸造過程で常に泡がぷくぷく出ている感じ。日本酒と同様、美味しくて楽しくて、毎年味が変わる。コミュニティ自体が日本酒っぽいですね」。

おっと、完ぺきなコメントありがとうございます。

クラウドファンディングで商品化されたものも並んでいる。

クラウドファンディングで商品化されたものも並んでいる。


一方、「酒小町」には若い人たちに日本酒の魅力を伝えるというミッションがある。

そのために行なっているのが「異業種コラボ」。従来の手法では「とりあえずビール! 酎ハイ!」という若者層には思いが届かないからだ。

まずはこちら。

「ウェディングパーティーで日本酒をふるまいたい」という相談を受けて、出張ポップアップバーとしてかわいい日本酒バーを出店したことがあった。

2020年に結婚式と日本酒のマリアージュ。

2020年に行った、結婚式と日本酒のマリアージュ。


兵庫県神戸市の櫻正宗酒造、「櫻正宗 焼稀 生一本」も用意。

山口県岩国市にある旭酒造の「獺祭」も用意。


また、写真コミュニティとのコラボ企画で「余韻を味わう夏の果て」というテーマで夏に合うカレーと日本酒を使ったカクテルのイベントも開催。

20〜30代の写真好きやカレー好きが集まって日本酒カクテルを楽しんだ。

20〜30代の写真好きやカレー好きが集まって日本酒カクテルを楽しんだ。


「写真女子」のコミュニティにも切り込んでいる。日本酒は写真映えするのだ。

日本酒に合う肴は刺身とは限らない。というわけで、今年4月に会員制・招待制のカレーコミュニティ「6curry」とコラボイベントを行った。

スパイスをつかったおつまみと日本酒を楽しみながら〆にカレーを食べる。新しい楽しみ方だ。

イベントには酒蔵の広報担当を呼んで日本酒にまつわる話を聞いた。

イベントには酒蔵の広報担当を呼んで日本酒にまつわる話を聞いた。


「好きなことを仕事にする」と決めた際に脳裏に浮かんだのは、いままでいちばんお金を使ったのは飲み代だということ。

「とりあえずやってみよう」という思いで、「酒小町」というほろ酔いチームを大きくしてきた。

現在、「酒小町」のメンバーは75人。そのうち、6割は女性だ。「まずは100人まで増やすのと、関わる酒蔵さんとの連携も強くしていきたい」とりんさんは言う。

今宵も日本酒で乾杯。

今宵も日本酒で乾杯。


では、最後に読者へのメッセージをお願いします。

おそらく、日本でも唯一無二のコミュニティ。

おそらく、日本でも唯一無二のコミュニティ。



[取材協力]
酒小町
https://sakekomachi.jp
CAMPFIRE
https://campfire.co.jp

石原たきび=取材・文

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