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2022.07.21

たべる

“まさか”から拓く未来。元広告マンがオープンした、灘五郷の酒文化を伝える店

アリガトチャン代表取締役 坂野 雅さん Age 46●甲南大学を卒業後、博報堂を経て、2010年に起業。地域活性化につながるプロモーションやプロジェクトのディレクション、企画立案に携わる。

アリガトチャン代表取締役 坂野 雅さん Age 46●甲南大学を卒業後、博報堂を経て、2010年に起業。地域活性化につながるプロモーションやプロジェクトのディレクション、企画立案に携わる。


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東京の広告代理店で10年を過ごし、転勤で戻った地元・神戸はそれまでと違う景色に見えたと坂野雅さんは語る。

「初めて観光客目線で神戸を見ることができました。神戸はローカル愛が強い街なのに、神戸の魅力をうまく発信できていないと感じたんです」。

そこで本業の傍ら、神戸ポートタワーでイベントなどを企画。そして兵庫の灘五郷と並ぶ日本三大酒どころ、広島の西条で行われた酒まつりに参加したことで運命が変わった。

「西条の酒蔵の人に『我々が日本酒全体のボトムアップをしているのに、日本一の灘五郷がやらずにどうするんだ』と言われて、納得したんです」。

六甲おろしの風と、ミネラル豊かな湧水、日本一の生産量を誇る山田錦の里など、兵庫の恵まれた自然条件が日本一の日本酒を造り上げる。

六甲おろしの風と、ミネラル豊かな湧水、日本一の生産量を誇る山田錦の里など、兵庫の恵まれた自然条件が日本一の日本酒を造り上げる。


1年後に起業をした坂野さんは積極的に灘五郷をPR。神戸ポートタワーでの日本酒イベントや、酒蔵を回るローカルツーリズムなどを企画。

そんなとき視察に訪れた文化庁の担当者から「灘五郷の情報発信の場が必要だ」と助言を受けた。

「そうしたら剣菱酒造の代表が酒蔵が空いているから使っていいとおっしゃって。まさか自分が飲食業をやるとは思ってもいませんでした(笑)」。

そうして今年4月にオープンしたのが、灘五郷26蔵の日本酒を楽しめる「灘五郷酒所」だ。

500余年の歴史を持つ剣菱酒造の酒蔵を改装した「灘五郷酒所」。

500余年の歴史を持つ剣菱酒造の酒蔵を改装した「灘五郷酒所」。


灘五郷の日本酒と、“旬、発酵、相性、地元”をテーマにした料理が味わえるほか、灘五郷や日本酒を深く知ることができるワークショップも開催。

灘五郷の日本酒と、“旬、発酵、相性、地元”をテーマにした料理が味わえるほか、灘五郷や日本酒を深く知ることができるワークショップも開催。


「コロナ禍の中、多くの方に来ていただきました。今後もここから灘五郷の酒文化を発信し、さらに盛り上げていきたいと思っています」。

灘五郷酒所
住所:兵庫県神戸市東灘区御影本町3-11-2
電話番号:080-7945-8291
営業:12:00〜21:00(金・土曜)、12:00〜20:00(日曜、祝日)
※月〜木曜日は貸し切り、またはイベントでの利用が可能


林田順子=編集・文

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