ダッドスニーカーのブームで一躍表舞台に
ホカといえば日本ではファッションシーンでお馴染みのブランドだった。折からのダッドスニーカーのブームの波に乗ったのだ。
これを後押しするように新進気鋭のデザイナー、キコ・コスタディノフがランウェイで履かせ、エンジニアド ガーメンツがコラボレーションの相手に指名した。牽引役が「ボンダイ」だった。オールブラックのモデルは飛ぶように売れた。
クッション性、反発性、フィット感すべてが向上した「ボンダイ 8」。7月15日発売。2万3100円/ホカ(デッカーズジャパン 0120-710-844)
そのイメージが先行してしまったけれど、ホカは正真正銘、アスリートのためのシューズだ。
これを証明したのが2010年のハセツネだった。正式名称、長谷川恒男カップといわれる山岳耐久レースのパイオニアだ。このレースで契約選手のルドウィック・ポムレが男子総合優勝を果たし、ニナ・シリッチが女子総合5位に食い込んだ。創業者のひとり、ニコラ・マーモッドも15位に入った。
その後の快進撃はまさに“快進撃”と呼ぶにふさわしいものだ。
2017年にはアイアンマンKONA、翌18年にはUTMBで着用率一位を獲得。そして同年のウエスタンステイツ・100マイルエンデュランスランで契約選手のジム・ウォルムズレーが優勝を飾った。ジムは翌19年の同大会にも出場し、コース最速記録を樹立した。
世界のトップアスリートが名を連ねるホカのアンバサダーに福士加代子さんが加わった。「ボンダイ 8」のキャンペーンにも登場する。
100㎞レース、トライアスロン、山岳耐久レース……ホカはありとあらゆるレースを制覇した。当初こそキワモノ扱いされたホカだったが、その実力が証明されると厚底シューズはランナーのためのスタンダードになった。
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