539万円。
▶︎すべての画像を見る 日産の新たなフラグシップモデルとして発売されたBEV「日産アリア B6」。
独自開発したEV専用の車台により、車内は外観から想像できないほど広い。運転支援技術「プロパイロット2.0」を搭載し、高速道路などの自動車専用道路ではハンズオフモードを選択することもできる。
走行距離は、休日のロングドライブにも対応できる470km(WLTC)。この夏以降には、「e-4ORCE」と呼ばれる4WDシステムを搭載したモデルのデリバリーも予定されている。
EVという選択肢をより身近にさせる立役者となるだろう。
積み上げてきた信頼が商品力に
エンジンとモーターを協調させて走るHEVやPHEVと異なり、モーターのみで走るのがバッテリーEV=BEV。日産はかれこれ12年近く、BEVのリーフを継続的に販売しています。
BEVの勝負所は、航続距離を伸ばすために大容量のバッテリーを搭載することです。そして、今まで全世界で50万台以上販売されたリーフは、このバッテリーに起因する、発火をはじめとした重大な事故は起こしたことがありません。
長きにわたってBEVの開発と生産を重ねてきた経験値と、数字で実証された高い信頼性、この2つがアリアの商品力の土台となっています。
その技術的な本丸は、今後発売するモデルに搭載される「e-4ORCE」でしょう。前後2つのモーターで4輪の駆動状況を緻密に制御し、走る・曲がる・停まるという、車体の挙動をコントロールする技術です。
が、低重心で車が安定していて静かというBEVならではの快適さ、それに加えてすっきりとミニマルにデザインされた広大なキャビンというアリアならではの空間価値は、ベーシックなこのB6でもまったく劣りなく味わえます。
充電環境の問題で所有のハードルはあれど、ファミリーカー需要にも応えるBEVの選択肢として魅力的な一台だと思いますよ。
| 自動車ライター 渡辺敏史 出版社で自動車/バイク雑誌の編集に携わったあと、独立。自動車誌での執筆量が非常に多いジャーナリストのひとり。車の評価基準は、市井の人の暮らしにとって、いいものかどうか。 |
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